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さらに憂うつになった韓国の人々…10人中7人「心の健康問題を経験」

登録:2024-07-05 06:15 修正:2024-07-18 10:40
半数は「強いストレス」訴える
ゲッティイメージバンクより//ハンギョレ新聞社

 韓国では10人のうち7人はこの1年間、強いストレス、持続的な憂うつ感など心の健康(メンタルヘルス)問題を経験したことが分かった。直前の2022年の調査より心の健康問題を訴える国民が増えたが、自分が精神疾患にかかると友人たちが自分に背を向けるかもしれないと考える人も半数を超えており、心の健康に関する認識もさらに悪くなった。

 国立精神健康センターは4日、全国15~69歳の3千人を対象に実施した「2024年国民の心の健康知識および態度調査」の結果を発表した。調査の結果、回答者の73.6%が「この1年間、心の健康問題を経験したことがある」と答えた。2022年の調査(63.9%)より9.7ポイント増えた。国民の心の健康が2年間でさらに悪化したのだ。

 具体的に「強いストレス」を経験したと答えた割合は2022年の36.0%から今年は46.3%に10ポイント以上増えた。「数日間続く憂うつ感」を経験した比率は30.0%から40.2%に、インターネットとスマートフォンなど中毒を経験した比率は6.4%から18.4%に大幅に増えた。自ら命を絶つことを考えたことがあるという回答者も、直前の調査(8.8%)より増えた14.6%だった。

 心の健康に対する認識もさらに悪化した。「私が精神疾患にかかったら、何人かの友人は私に背を向けるかもしれない」と答えた比率は2022年39.4%から今年50.7%に大幅に増え、「精神疾患がある人はそうでない人より危険だと思う」と答えた比率も64.0%から64.6%に増加した。「精神科の治療を受ければ就職など社会生活に不利益を受けるだろう」という回答者も2022年(61.5%)より増えた69.4%だった。ただし「誰でも精神疾患にかかる可能性がある」、「精神疾患は一種の脳機能の異常である」と答えた割合も増えたことは認識の改善といえる。

 心の健康問題を経験したときの支援を要請した対象としては、最も多くの人が家族や親戚(49.4%)を挙げた。さらに精神科医(44.2%)、友人または隣人(41.0%)、心理またはカウンセリング専門家(34.3%)などの順だった。

 韓国政府は心の健康の悪化を防ぐため、心理相談サービスを提供する政策を展開している。保健福祉部は今月1日から憂うつや不安などの困難を抱える人に専門カウンセリングサービスを提供する「2024年全国民の心への投資支援事業」を始めた。今年下半期に8万人から始まり、2027年までに50万人に拡大することを目指す。カウンセリングが必要だという精神健康福祉センターや大学相談センターなどの依頼書を持っている人、精神医療機関などの診断書や所見書を持っている人などが対象者だ。対象者に決まれば、専門カウンセリングサービスを計8回受けられるバウチャーが申し込みから10日以内に発給される。

ソン・ジミン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1147705.html韓国語原文入力:2024-07-04 20:17
訳H.J

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