本文に移動

韓国工場火災、相次ぐ閃光と爆発音…「戦場映画で見た爆撃場面のようだった」

登録:2024-06-25 06:16 修正:2024-06-25 06:54
華城リチウムバッテリー工場火災 
消防士たちが24日午後、京畿道華城市の一次電池メーカー(アリセル)の火災現場で遺体を運んでいる=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 文字通り戦場だった。煙に包まれた工場の建物では、焦げ臭いにおいと共に白い閃光が絶えず光り、時々「バチバチ」という爆発音とともに火花の破片があちこちに飛び散った。

24日、京畿道華城市の一次電池メーカー(アリセル)の工場で火災が発生した様子/聯合ニュース

 24日午後、京畿道華城市(ファソンシ)のリチウムバッテリーメーカーの火災現場に到着した時、3階建ての鉄骨構造の工場の建物は、炎が噴き出した熱気で外壁を覆った不燃材パネルが真っ黒に焼け落ちていた。絶え間なく立ち上がる煙は、工場の庭に充満し、近くの道路まで占領した状態だった。現場から辛うじて脱出した従業員たちは「戦争映画で見た爆撃場面のようだった」と語った。

24日午後、華城市西新面にある一次電池メーカーの工場で、消防隊員らが行方不明者の捜索作業を行っている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 この日午前10時31分、リチウムバッテリーの爆発で始まった火災は4時間以上経った午後3時頃に勢いが収まったが、内部に孤立した20人を越える労働者はすでに命を失った後だった。大規模な消防スタッフと装備を投入したにもかかわらずなかなか鎮火されず、工場周辺にいた従業員や家族、周辺工場の勤務者たちはひやひやしながら現場を見守った。夫が働いている工場に火事が起きたというニュースを見て飛んできたという40代の女性は「連絡が取れないので、とりあえず現場に来た。夫は工場生産チームの責任者を務めている。どうか生きていてほしい」と両手を合わせて涙ぐんだ。

 火が急速に広がると、救助を待つ間もなく建物の外に飛び降り、助かった人もいた。隣の工場で働くシム・ジェソクさん(45)はハンギョレに「火事になった工場の建物の裏側に手すりがある階段があるが、2~3人が窓から階段に飛び降りて脱出するのを見た。様子を見ていたが、炎が大きくなったため、私たちも急いで避難した」と伝えた。

24日、京畿道華城市西新面にある一次電池メーカーの工場で火災が発生し、消防士たちが消火活動を行っている/聯合ニュース

 工場近くで従業員たち向けの飲食店を経営しているチョン・オクジャさん(68)は「怖かった。昼食の準備の真っただ中だったが、何か焦げた匂いと共に豆が弾けるような『バチバチバチ』という音がして『銃声なのか』と思った。まもなく火事になった工場で働く女性従業員たち数人が、顔がすすで真っ黒な状態で入ってきて、『胸がむかむかするから、キムチの汁をもらえないか』と頼んだので、一杯ずつ配った」と語った。

24日、火災が発生した京畿道華城市西新面のアリセル工場/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はこの日の火災発生後、イ・サンミン行政安全部長官とナム・ファヨン消防庁長に「スタッフと装備を総動員して人命捜索および救助に総力を尽くせ」と指示したのに続き、夕方には火災現場を訪れて被害状況と対応状況を視察した。尹大統領はこの場でイ長官に「このような事故が再発しないように関連企業に対する安全点検と再発防止策の樹立に万全を期すよう」指示した。これに先立ち、午後にはハン・ドクス首相が現場を訪ね、「死傷者と失踪者のうち外国人労働者が多いため、関連国家公館とも協力システムを直ちに構築し運営するよう」指示した。死亡した外国人労働者は中国人18人、ラオス人1人。

24日午後、京畿道華城市の一次電池工場の火災現場で、消防隊員たちが現場の収拾作業をしている/聯合ニュース

 京畿南部警察庁は同日、火災事故の捜査のための捜査本部を設置した。捜査本部は京畿南部庁広域捜査団長を本部長として130人余りの規模で構成される。刑事機動隊35人、華城西部警察署刑事25人、科学捜査隊35人などが含まれた。

24日午後、京畿道華城市の一次電池工場の火災現場で、消防隊員たちが現場の収拾作業をしている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社
イ・スンウク、イ・ジョンハ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/area_general/1146280.html韓国語原文入力:2024-06-25 01:35
訳H.J

関連記事