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韓国の国民が考える30年後の韓国…政治にも環境にも「希望持てない」

登録:2024-06-19 07:09 修正:2024-06-19 08:25
[クァク・ノピルの未来の窓] 
国会未来研究院の未来見通しアンケート 
11分野すべてで肯定的見通しの割合が低下 
経済・社会より政治・外交の見通しの方が否定的
30年後の韓国の未来に対する国民の肯定的な見通しがすべての分野で低下した=ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 30年後の韓国の未来に対する韓国国民の肯定的な見通しが、すべての分野で低下していた。最も大幅に低下した分野は北朝鮮問題だった。2019年には75%だった肯定的な見通しは、5年間で29.5%へと急激な下落を示した。

 国会未来研究院は、2019年に続き2度目となる30年後の未来に対する見通しを問う調査を実施し、その結果を17日に発表した。調査対象となった11の分野に対する肯定的な見通しは、最少で3.4ポイント(人)、最大で45.6ポイント(北朝鮮)低下し、肯定的な見通しが上昇した分野はまったくなかった。今回の調査は、5月に全国の3千人に対してオンラインでのアンケート回答方式で行われた。

 北朝鮮問題に対する見通しが5年間で「圧倒的な肯定」から「圧倒的な否定」へと真逆になったことが特に目を引く。国会未来研究院のユ・ヒス研究支援室長は報告書で、「2019年の調査では、2018年に行われた3回の南北首脳会談などが肯定的な影響を及ぼしたが、このところの南北関係の悪化が未来に対する見通しに否定的に作用したとみられる」と述べている。

 国際政治は19.9ポイント、政治行政も14.8ポイント低下するなど、経済や社会より政治と外交に関する分野に対する見通しの方が悪化していた。

30年後の未来に対する国民の肯定的見通し=出典:国会未来研究院//ハンギョレ新聞社

■肯定的な見通しの方が高いのは11分野中2分野のみ

 調査対象となった11分野のほとんどで肯定的見通しより否定的見通しの方が高く、肯定的見通しが優勢な分野は科学技術(82.1%)と居住環境(52.5%)の2つにとどまった。気候問題や食糧・水資源などの環境に関する見通しは5年前と同様、否定的見通しの方がはるかに高かった。肯定的な見通しが最も低い分野は気候問題で、8.6%だった。

 今月から任期が始まった第22代国会については、中長期的な未来のために最も重視すべき活動として、回答者の44%が「国民との意思疎通」を第一にあげた。続いて「政策の発掘および開発」(28.2%)、「立法」(17.3%)だった。

 未来に関して議論する際に何年後を考慮するのが最も適切かとの問いには、「5~10年後」という回答が49.5%で最も多かった。続いて10~30年後が40.2%で、国民は30年以上の長期的な未来よりも30年以内の短・中期的な未来についての議論を望んでいた。

第22代国会は何年後を考慮して活動すべきか=出典:国会未来研究院//ハンギョレ新聞社

■国民が選んだ各常任委の最も重視すべき未来議題

 また研究院は、第22代国会の開院に当たって、国民が各常任委において重視する未来議題のキーワードも調査した。

 国民の選んだ各常任委の最も重視すべき議題は、監査院の職務監察(法制司法委)、中小企業の労働者(企画財政委)、学校暴力(教育委)、メタバース(科学技術情報放送通信委)、国際開発協力(外交統一委)、先端兵器システム(国防委)、子どもの交通安全(行政安全委)、気候変動被害(農林畜産食品海洋水産委)、新再生可能エネルギー(産業通商資源中小ベンチャー企業委)、麻薬類防止(保健福祉委)、労働時間(環境労働委)、建築物の安全(国土交通委)だった。

 中小企業の労働者、新再生可能エネルギーは保守より進歩系の回答者の方が、麻薬類の防止は進歩より保守系の回答者の方が、学校暴力とメタバース、子どもの交通安全、性暴力対策は男性より女性の方が、先端兵器システムは女性より男性の方が重視していた。

 5月で任期が終了した第21代国会が中長期的な未来のためにおこなった活動に対する評価は、100点満点で35.6点だった。回答者は厳しい点数をつけた理由として「各政党が党の利益を重視しすぎた」をあげている。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/future/1145284.html韓国語原文入力:2024-06-18 09:30
訳D.K

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