韓国政府は集団留年を目前にした医学部生の復帰を説得する名目として、「教育環境の改善」を掲げたが、大学教授たちは学生たちが反応しないだろうと予想した。また「集団留年は止めなければならないが、休学を承認すべきではない」という政府の態度に批判の声をあげている。
ハン・ドクス首相は9日、9月に「医学部教育の先進化案」を発表する方針を示した。医学部生たちが増員に反対する理由として「教育の質の低下」を挙げたことに対し、教育環境の改善を約束するから「帰って来い」と手招きしたのだ。しかし、大学教授たちはその効果を疑っている。全羅北道地域のある医学部教授は11日、「施設、教授の拡充などは投資だけで解決できる問題ではないことを学生たちも知っている。それは復帰の名目にはならない」と指摘した。忠北大学病院のペ・ジャンファン教授(心臓内科)は、「政府が定員を増やしたから、(教育の質が落ちないように)支援するのは当たり前のこと」だとし、「学生にとっては全く宥和策ではない」と指摘した。
医学部生の集団留年を防ぐためには、政府が適切な対策を出さなければならないという主張もある。医学部のある首都圏の大学総長は「教育部が宥和策も打ち出さず、留年も休学の承認もだめだという方針なので、もどかしい状況」だとしたうえで、「国試(医師国家試験)日程の延期や追加試験の検討、休学の承認など学生たちを説得する最小限の手段が必要だ」と語った。
一方、拠点国立大学教授会連合会はこの日、立場を表明し、「社会副首相(教育部長官)と各大学総長らに、医学部生たちの休学を承認し、彼らが適切な時期に復学できるようにすることを要請する」とし、「留年まで発生すれば、今年の新入生は卒業するまで6年間定員の2倍を越える仲間たちと授業を受けることになり、教育の質が下がる」と主張した。