尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は3日、「浦項(ポハン)の迎日湾(ヨンイルマン)沖に140億バレルに達する石油とガスが埋蔵されている可能性が高いという物理探査の結果が出た」と述べた。この発表に関連業界は期待を示したが、「ボーリングまでは予断できない」との慎重な評価も示されている。
尹大統領はこの日、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室のブリーフィングルームで、「本日、産業通商資源部(産業部)に対し、国内の深海の石油・ガス田に対するボーリング調査計画を承認した」としつつ、上のように述べた。大統領は「現政権発足後の昨年2月、東海(トンヘ)ガス田周辺にさらに多くの石油ガス田が存在する可能性が高いとの判断のもと、世界最高水準の深海技術評価専門企業に物理探査の深層分析を任せた」とし、「最近140億バレル(1バレル=159リットル)に達する石油とガスが埋蔵されている可能性が非常に高いとの結果が出た。有数の研究機関と専門家たちの検証も経た。これは1990年代後半に発見された東海ガス田の300倍を超える規模で、韓国全体が天然ガスは最大29年、石油は最大4年以上使える量だと判断される」と述べた。
尹大統領は、「これからは、実際に石油とガスが存在するのか、実際の埋蔵規模はどれくらいかを確認するボーリング調査の段階へと移行する。少なくとも5カ所のボーリング孔をあけなければならないが、1カ所につき1000億ウォン(約110億円)以上の費用がかかる」とし、「世界最高のエネルギー開発企業もすでに関心を示している。国民の皆さまには落ち着いてボーリングの結果を見守っていただきたい」と付け加えた。
尹大統領の発表に同席したアン・ドックン産業部長官は、「今年12月ごろから実質的な調査が始まるとみており、来年上半期には結果が出るだろう」とし、「実際の(石油とガスの)埋蔵が確認されれば、2035年には商業開発が可能になるだろう」と述べた。アン長官は最大140億バレル埋蔵の可能性があるとし、「現在の価値で計算すると、サムスン電子の時価総額(3日の時点で453兆ウォン)の5倍ほど(2265兆ウォン、約258兆円)だ」と述べた。
共に民主党のイ・ヘシク首席報道担当は、「埋蔵量や事業性を確認してもいないうちから大統領が埋蔵推定値を発表するのは、早まった判断と思われる」とし、「今回の発表は、下落傾向にある支持率を上昇させるための局面転換用の発表なのではないかと非常に疑われる」と論評した。メリッツ証券も報告書で、「事業が始まったとしても採掘原価に経済性があるかは不確実であり、ボーリングまでは結果を予断できない」と評価した。
350あまりの市民社会団体が参加する「気候危機非常行動」は声明で、「さらなる石油・ガス田開発は気候危機を加速する無責任な行い」だと批判した。