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北朝鮮のキム副部長、汚物風船散布を「これも表現の自由…対北ビラに数十倍で対応」

登録:2024-05-30 10:23 修正:2024-05-30 10:27
南に向けたビラ散布に関する談話発表 
「自由民主主義の幽霊への贈り物 
北へと飛ばす風船は見えないのか」
朝鮮労働党中央委員会のキム・ヨジョン副部長/朝鮮中央通信・聯合ニュースの資料写真

 朝鮮労働党中央委員会のキム・ヨジョン副部長は、北朝鮮から飛ばした汚物や古紙などの入った大型風船が28日夜から韓国の各地域で発見されている事実に関して「『表現の自由の保障』を叫ぶ自由民主主義の幽霊に送る真の『誠意の贈り物』」だと主張した。

 キム・ヨジョン副部長は29日夜、朝鮮中央通信に発表した談話で「国防省次官がすでに予告した通り、28日夜から韓国の境界地域と縦深地域に古紙や汚物が大量に散布されている」とし、このように述べた。

 特にキム副部長は「我々は今後、韓国が我々に向けて散布する汚物の数十倍の量で対応することを明確にする」とし、今後も南側から対北ビラなどを北側に撒くならば、その「数十倍」で対応すると脅しをかけた。

 キム副部長は「韓国傀儡軍の合同参謀本部は、(北朝鮮からの風船散布が)国際法に違反するものであり自国民の安全を深刻に脅かす行為だとして、即時中断しろと騒いだ」とし、「我々が韓国から常にやられてきたことを少々やってみたのだが、なぜ火がついたように大騒ぎをするのか理解できない」と皮肉を述べた。また「韓国の者どもの目には、北に飛んでいく風船は見えず、南に飛んでくる風船だけが見えたのか」とし「風船が飛んでいく方向によって『表現の自由』と『国際法』が規定されるのか、厚かましいこと極まりない」と非難した。

 また「朝鮮民主主義人民共和国政府は、大韓民国に対するビラ散布がわが人民の表現の自由に該当し、韓国国民の知る権利を保障することであると考え、これを直ちに止めるのは限界がある。大韓民国政府に丁重に了解を求める」と述べた。これは、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が、南北関係発展法の対北ビラ散布処罰条項(24条1項3号、25条1項)が表現の自由を過剰禁止しているため違憲だという憲法裁判所の判決を根拠に、一部の脱北民団体の対北ビラ散布を事実上「放置」する態度を取ったことを指摘したもの。

 これに先立ち、脱北民団体「自由北韓運動連合」のパク・サンハク代表は10日夜、北朝鮮向けビラ30万枚などが入った大型風船20個を江華島(カンファド)から北朝鮮に向けて飛ばしたと、13日にメディアに明らかにした。これについて統一部のク・ビョンサム報道官は13日、記者会見で「ビラ散布問題は表現の自由の保障という憲法裁判所の決定趣旨を考慮し、対応している」と明らかにした。北朝鮮は26日に発表した国防省のキム・ガンイル次官の談話でこれを批判し、「数多くの古紙と汚物がまもなく韓国の境界地域と縦深地域に散布されるだろう」と予告した。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1142635.html韓国語原文入力:2024-05-29 23:20
訳C.M

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