専攻医(インターン、レジデント)の集団辞職ではじまった医療の空白が3カ月間続いている中、裁判所の決定と専門医資格取得の調整の可否に関心が集まっている。裁判所が今週中に医学部定員増員の執行停止の可否を決定し、来週には専攻医が来年の専門医資格試験を受けるために必要な研修期間の期限が到来するからだ。
12日のソウル高等裁判所の発表によると、同高裁は医学部の教授、専攻医、医学部生などが保健福祉部と教育部を相手取って起こした医学部増員執行停止申立ての抗告審決定を今週中に下す計画だ。政府は今月10日、医学部増員に関する47件の資料と2件の参考資料を提出した。提出された資料には、保健医療基本法に規定された保健医療政策審議機関である「保健医療政策審議委員会(保政審)」、保政審傘下の「医師人材専門委員会(専門委)」などの会議録が含まれている。一方、「医学部学生定員配分委員会(配分委)」と医療懸案協議体は会議録がないたいめ、代わりに会議の結果をまとめた資料が提出された。
ソウル高裁の決定は、政府の医学部増員計画にとって「転換点」とならざるを得ない。一方、医療界の執行停止申立てが棄却されれば、政府の計画に弾みがつく。関係する会議の記録などを当たっても法的に問題がなければ、正当性が得られるからだ。さらに、大学が今月末までにウェブサイトに募集要綱を公開しなければならない中にあっては、最高裁への再抗告などのさらなる法的手続きも容易ではない。
一方、認められれば、政府の計画は出発点に逆戻りすることになる。医療界は裁判所の決定に期待すると同時に、政府が提出した資料の不十分さを批判する計画だ。それに向けて全国医学部教授協議会(全医教協)と大韓医学会は30~50人の専門家からなる検証委員会を設置し、週末に政府の提出資料を検討した。全医教協のキム・ヒョナ報道宣伝委員長はこの日、「政府が提出した資料の虚構性と問題点を一つ一つ指摘し、明日(13日)発表する」と語った。医師資格を持つパク・ホギュン弁護士は、「政府は多くの資料を提出しており、棄却が決定されれば、政府の政策の手続き的正当性ばかりが強められることになる」とし、「認められれば、このかん政府が推進してきた政策が勢いを失い、政策の信頼性も打撃を受けざるを得ない」と述べた。
別の転換点も19日に迫っている。19日を過ぎると医療現場を離脱した専攻医の来年中の専門医資格取得に支障が生じるからだ。今年専攻医としての研修を終える3、4年目のレジデントは、来年2月ごろに専門医資格試験を受けるが、研修期間を満たさなければ受験できない。研修期間が足りない場合は、受験後の期間充足が最大3カ月認められている。試験に合格しても、研修期間が足りなければ取り消しになることもありうる。結局、専攻医の集団行動期間がまる3カ月となる19日が、受験資格の最終ラインとなるわけだ。ただし、「専門医の研修および資格の認定などに関する規定施行規則」は、休暇または休職などのやむをえない理由で1カ月以上研修が受けられなかった専攻医は、受けられなかった期間から1カ月を除いた期間だけ追加研修が受けられると規定している。
福祉部はまだ対策を講じていない。福祉部保健医療政策室のチョン・ビョンワン室長は、「今は、専攻医には早く戻ってきてほしい、としか言うべきことはない」と述べた。福祉部によると、来年に専門医資格試験を受けうる今年の最終年次のレジデントは2910人(3月7日現在)。