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尹政権発足から720日ぶりの初トップ会談、成果なしで終わった

登録:2024-04-30 06:17 修正:2024-04-30 06:46
尹大統領とイ・ジェミョン代表の会談 
医療改革の必要性には共感したが 
家計支援金や梨泰院特別法などで隔たり
共に民主党のイ・ジェミョン代表が29日午後、ソウル龍山の大統領室庁舎で開かれた会談で、選挙で明らかになった民意の受け入れや国政方向の転換など原稿を見ながら発言を続ける間、尹錫悦大統領が固い表情でイ代表の発言を聞いている=ユン・ウンシク先任記者//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と野党第一党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表が尹錫悦政権発足から720日目を迎えた29日、会談を行ったが、具体的な合意案は出なかった。医学部増員の必要性には共感を示したが、家計支援金、海兵隊のC上等兵殉職事件捜査への外圧疑惑をめぐる特検法など、ほとんどの懸案で意見の相違だけを確認した。大統領室は「野党との意思疎通を通じた政治協力の第一歩を踏み出した」と評したが、イ代表は「もどかしく残念だった」という立場を示した。

 尹大統領とイ代表は同日午後2時頃、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室で会い、2時間15分間にわたり会談を行った。イ・ドウン大統領室広報首席は会談後の会見で「合意には至らなかったが、双方が総論的かつ大乗的に認識を共にした部分はあった」として、3つに合意したと述べた。医療改革の必要性と医学部定員拡大が避けられないということに双方が共感するとともに、今後もたびたび会うことにしており、「暮らしの問題が最も重要な政治的・政策的懸案」ということで認識を共にしたという説明した。しかし、会合の定例化や今後の会合計画は決めていない。暮らしの問題の解決案をめぐっても、尹大統領は与野党と政府の協議体を作ろうと提案したが、イ代表は国会を優先的に活用しようと答え、接点を見出すことができなかった。

 イ代表は同日の発言で、あらかじめ準備したA4用紙10枚分の原稿を取り出し、意を決したように読み上げながら、12種類の要求を伝えた。しかし会談ではイ代表が主張してきた「国民1人当り25万ウォン(約2万8千円)の家計支援金」などは受け入れられなかった。

 家計支援金に対し、尹大統領は「物価と金利、財政状況に及ぼす影響を考えると、今の状況では経済的に困難な方々をより効果的に支援する方が望ましい」と答えた。尹大統領は梨泰院(イテウォン)惨事特別法もまた法理的問題を挙げて事実上拒否した。

 イ代表はまた、冒頭発言で「国政運営に大きな負担になっている家族などの周辺人物の様々な疑惑も解消してほしい」と述べ、尹大統領夫人のキム・ゴンヒ女史のドイツモーターズ株価操作疑惑特検法の受け入れも遠まわしに求めた。尹大統領はこれについては答えなかった。「過度な拒否権行使に対する遺憾を表明してほしい」というイ代表の要求も受け入れられなかった。

尹錫悦大統領と共に民主党のイ・ジェミョン代表が29日、ソウル龍山の大統領室執務室で会談を行っている/聯合ニュース

 大統領室は今回の会談について「野党との疎通、政治協力の第一歩を踏み出したと評価している」とし、「今後の政治状況に対する予測は難しいが、野党との意思疎通において第一歩を踏み出したことが重要だ」と強調した。一方、民主党は「大きな期待をかけたが、変化は見られなかった」と評した。会談に同席したパク・ソンジュン首席報道担当は「(尹錫悦大統領の)状況認識があまりにも安易で、今後の国政が懸念される」とし、「民間経済を回復させ国政基調を転換するという意志がないように見えた」と述べた。パク報道担当は「もどかしくて残念だった。意思疎通の最初の1ページを開いたことに意義を見出すべきかもしれない」というイ代表の発言を伝えた。

チャン・ナレ、コ・ハンソル、カン・ジェグ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1138656.html韓国語原文入力:2024-04-29 22:24
訳H.J

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