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「セマングムジャンボリー、韓国政府の介入で様々な問題が発生」

登録:2024-04-24 05:52 修正:2024-04-24 07:46
世界スカウト連盟、パネル報告書を通じて問題点を指摘 
「主催国の政府支援は歓迎するが、合意された役割を超えてはならない」 
政府「パネルの情報要請なかった…評価の結果には同意しかねる」
「2023セマングム第25回世界スカウトジャンボリー」の参加者たちが昨年8月4日、全羅北道扶安郡ジャンボリーキャンプ場の水道から水を汲んでいる/聯合ニュース

 世界スカウト連盟(WOSM)は、昨年8月に韓国で開催されたものの猛暑と準備不足で事実上早期閉幕した「2023セマングム世界スカウトジャンボリー」について、「韓国政府が介入し、さまざまな構造的問題を引き起こした」と指摘した。韓国スカウト連盟ではなく韓国政府がジャンボリーの実質的な主催者になり、この過程で行事会場の敷地が適切なのかが検証されず、青少年参加者とボランティアの安全のための医療支援や衛生環境などもまともに準備されなかったというのが連盟側の説明だ。

 世界スカウト連盟は最近、ホームページにて「第25回世界スカウトジャンボリー:独立検討パネル報告書」を公開した。報告書は世界スカウト連盟がセマングムジャンボリーで明らかになった問題を指摘し、改善の課題を見つけるために内部と外部からの6人で構成した専門家集団(パネル)が作成したもの。彼らは報告書で「韓国政府が莫大な資金を支援して事実上大会の主催者になり、韓国スカウト連盟は疎外された」とし、「(行事準備のための)公務員が毎年、あるいは場合によってはさらに頻繁に変わり、これは行事の計画および支援を強化するためのプロセス構築がまともに行われなかったことを意味する」と指摘した。また「(準備担当者が)変わる間、引継ぎがしっかり行われず、これは不明な役割と責任問題につながった」とも述べた。

 これに先立ち、韓国国内でもセマングムジャンボリーのずさんな運営の主な原因として、「コントロールタワーの不在」が挙げられてきた。セマングムジャンボリー組織委員長は当初、キム・ヒョンスク女性家族部長官(当時)とキム・ユンドク議員(共に民主党、全羅北道全州甲)の2人の組織委員長体制だったが、2023年2月に行政安全部長官と文化体育観光部長官、韓国スカウト連盟総裁を共同委員長に加えた。報告書は、ジャンボリー行事の成功のための計画および実行責任はスカウト連盟にあるとしながらも「主催国の政府が行事を支援することは歓迎し推奨するが、合意された役割と責任を越えてはならない」と指摘した。

 また、セマングムジャンボリーの準備と運営過程で現れた様々な問題点も改めて指摘した。「適切な敷地(野営地)を準備するためには、土地の埋め立てを含むかなりの基盤施設(の設置)作業が必要だったが、韓国スカウト連盟は(野営地作りのための)大規模な植樹などの約束を履行しなかった」とし、「食品の提供・流通過程における品目漏れや不正確な配送、炎天下での食品保存問題、過度な包装および生ゴミなど深刻な問題があった」と明らかにした。

 さらに「(大会)最初の数日間、シャワー室とトイレを含む衛生施設は定期的かつ適切に掃除されなかった」とし、「大会初期には一部の診療所で電気が供給されておらず、病床も不足していた。患者のための食糧も深刻に不足していた。医療状況においては驚くほど準備が足りなかった」と説明した。それとともに「(猛暑に備えた)より徹底した準備が必要だった」と指摘した。また、ジャンボリーの総合評価過程に必ず必要な情報を韓国政府から受け取っていないと説明した。

 韓国政府はこのような指摘に対し、ジャンボリーの主催者は世界スカウト連盟と韓国スカウト連盟だとし、報告書の内容に同意しかねるという立場を示した。女性家族部の関係者はこの日、ハンギョレに「(調査を進めた)世界スカウト連盟のパネルが女性家族部をはじめとする関係省庁(行政安全部や文化体育観光部など)に必要な情報を要請したことはなかった」とし、「ジャンボリーの準備と進行は主管・主催機関が行ったもので、政府は必要な支援をする役割を果たしており、報告書の評価結果には同意しかねる」と述べた。

オ・セジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1137864.html韓国語原文入力:2024-04-23 22:12
訳H.J

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