22日、医学部教授らの辞表提出が始まった。政府が早ければ26日から病院を離脱した専攻医の免許停止処分を開始することに対する反発だ。25日からは医学部教授の集団辞職も予告されている。政府は「無条件の対話」を求めているが、専攻医離脱の主要因である「2千人の医学部定員増員」は改めて議論する余地がないとして拒否しているため、実質的な対話につなげるのは容易ではなさそうだ。
忠北大学病院のペ・ジャンファン教授(心臓内科)は22日、辞表を提出したことを明かした。忠北大学病院は、これまで49人だった医学部の定員が2025年に200人になる。今回の医学部定員の増員で最も多い数が割り当てられた。ペ教授は22日に自らのSNSに辞職願の写真を投稿した。この投稿で同氏は、「政府の理解できない措置で、うちの医学部生と専攻医たちは休学と辞職に追い込まれた」とし、「心臓移植をきちんと教えるという夢が医学部増員と必須医療パッケージで粉々になった」と述べた。ペ教授は忠北大学医学部教授協議会の非常対策委員会(非対委)の委員長でもある。
医学部の教授陣は、政府に専攻医への制裁の撤回を再度要求した。延世大学医学部教授非対委はこの日発表した訴えで、「教授には学生と専攻医のいない大学と病院に存在する理由がない」とし、「教授辞職は誤った政府の政策に対する抗議にとどまらず、気力の尽きた教授たちにはもはや重症・救急患者を診る余力がないという現実を反映したもの」だと述べた。ソウル大学医学部非対委もこの日発表した報道資料で、「去った専攻医、医学部生の復帰の可能性は永久に希薄になりつつある」とし、「専攻医への処罰方針を撤回してほしい」と述べた。
政府と医学部教授は互いに「対話」しようと述べているが、立場は平行線をたどっている。ソウル大学医学部非対委はこの日、「辞表は政府との対話に向けた医学部教授たちの切実な声」だとし、「開かれた姿勢で対話と討論に応じてほしい」と述べた。保健福祉部のパク・ミンス第2次官はこの日の医師集団行動中央災害安全対策本部(中対本)のブリーフィングで、全国医学部教授非対委や「全国医学部教授協議会(全医教協)」などに「無条件の対話」を提案した。しかし両団体とも、まず案件を具体化すべきだとの立場だ。このような中、パク次官は前日、「来週から原則どおり免許資格停止処分をおこなっていく」と表明している。チョ・ギュホン福祉部長官もこの日、SBSラジオに出演し、「(2千人増員は)再論の余地がない」とし、「(医学部定員増員の)手続きを進める」だと語っている。
専攻医の離脱による医療の空白が長期化し、医学部教授陣の診療縮小まで加わる恐れがあるため、政府は複数の医療陣追加投入案を打ち出している。全国に40ある医学部のうち39校が参加する全医教協は、25日から法定労働時間である週52時間勤務に突入すると表明している。政府はすでに21日に47人の公衆保健医を派遣しており、25日からは4週間にわたって公保医と軍医をそれぞれ100人ずつ追加派遣する。同時に退職予定の医師の継続採用や、引退した医師を新たに雇用できるよう、来月に国立中央医療院に「シニア医師支援センター」を設置する。福祉部はまた20日から、離脱した専攻医の代替要員として、開院医に研修病院の救急室などでの兼職を許可している。医療法は、開業医は自身の開設した医療機関でのみ医療行為が行えると定めているが、保健医療災害危機レベルが「深刻」になっている間は、自治体の承認があれば研修病院でも診療が行える。