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「日本植民統治を擁護」した落星垈経済研究所長、独立記念館の新たな理事に

登録:2024-02-21 07:02 修正:2024-02-21 08:40
2022年10月、独立記念館で顕忠施設体験博覧会が開かれた=独立記念館のホームページより//ハンギョレ新聞社  

 韓国の国家報勲部傘下の独立記念館の新任理事に落星垈経済研究所のパク・イテク所長が任命された事実が20日、明らかになった。落星垈経済研究所は、植民地近代化論を擁護し議論になった本『反日種族主義―日韓危機の根源』の著者などニューライト系を代表する学者たちが布陣した研究団体で、同研究所の所長を独立記念館理事に任命したことは独立記念館のアイデンティティを損なうという批判の声があがっている。

 報勲部関係者は同日、ハンギョレに「今月1日、パク・イテク所長をはじめとする5人を独立記念館非常任理事に任命した」と語った。

 落星垈経済研究所は1987年、アン・ビョンジ・ソウル大学教授を中心に設立された。1990年代初め、旧ソ連解体後に急激に右傾化の道を歩み、韓国社会でニューライトの思想的、理論的陣地の役割を果たしてきた。2019年には、日本軍「慰安婦」被害と日本による植民地時代強制動員の強制性を否定し、植民地近代化論を主張する本『反日種族主義』が出版されたが、同書の代表著者であるイ・ヨンフン元ソウル大学教授と共同著者のキム・ナクニョン東国大学教授、イ・ウヨン落星垈経済研究所研究委員などが同研究所に所属しており、批判の対象にもなった。植民地近代化論は、韓国が日本に強制占領された植民地時代に、日本によって経済が成長し、近代化の土台が設けられた点を認めようという主張だ。同研究所は1980年代後半と2000年代半ば、日本のトヨタ財団の支援を受けて植民地研究も進めたことがある。

落星垈経済研究所のパク・イテク所長=落星垈経済研究所のホームページより//ハンギョレ新聞社

 韓国経済史を専攻したパク・イテク所長は、同研究所が出した『韓国の長期統計:国民勘定1911~2010』の執筆にも参加した。長期統計で韓国近現代経済史100年をまとめた同書は、植民地時代の近代的経済成長が実現したという点を実証し、植民地近代化論を裏付ける根拠資料にもなった。

 このようなことから、落星垈経済研究所出身の人物が日帝に抵抗した独立運動精神を称える独立記念館理事に任命されたのは不適切だと指摘する声もある。独立運動家の李康年(イ・ガンニョン)将軍の子孫、キム・ガプニョン独立記念館理事は、「パク所長は独立運動の精神と価値を正しく理解しておらず、日本の植民地近代化論を主張する経済学者として知られている。落星垈経済研究所の(活動は)独立記念館の目的と相反するもので、独立運動家の犠牲と献身を無視する行為だ」と批判した。光復会関係者も「日本の立場で植民地近代化論を説く研究所の所長を独立記念館理事に任命したのはとんでもないことで、直ちに撤回されるべきだ」と語った。

 今回の任命は、ニューライト出身の人物を要職に抜擢してきた現政権の理念偏向的な人事方式の流れを受けている。先月任期が終わったハン・シジュン独立記念館館長の後任人選も残っており、パク所長の任命と類似した人事がなされるのではないかという懸念も高まっている。

 パク所長は20日夕方、報勲部を通じて「私は韓国人が被支配民族という状況の中でも政治的・産業的啓蒙を成し遂げ、独立国家を樹立し、先進国の一員に浮上する歴史的過程を経済史家として研究してきた」と述べた。

チャン・イェジ、クォン・ヒョクチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1129047.html韓国語原文入力:2024-02-20 21:14
訳H.J

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