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「言葉の応酬」で最悪の状況に突き進む韓ロ関係…果たしてうまく管理されているのか

登録:2024-02-05 06:39 修正:2024-02-05 08:35
ロシアのアンドレイ・ルデンコ外務次官/タス・聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が北朝鮮の「核先制使用の法制化」を批判したことに対して、ロシアの外務省報道官が「偏向的」だと批判した。それに韓国外務省が「忌まわしい詭弁」だと対抗し、駐韓ロシア大使を呼ぶなど、週末の間に韓ロが衝突した。北朝鮮とロシアの密着が深まり、韓ロ関係は最悪に突き進んでいることを示す異例の状況が繰り広げられた。

 衝突の始まりは今月1日(現地時間)、ロシア外務省のマリヤ・ザハロワ報道官の論評だった。ザハロワ報道官は、尹大統領が先月31日、中央統合防衛会議で「北朝鮮政権は全世界で唯一核先制使用を法制化した非理性的な集団」と述べたことについて、「著しく偏向している」と論評した。ロシアの外交官僚が韓国大統領の発言を直接問題視したのだ。

 これに対し韓国外交部は3日、「(ロシア外務省の)ザハロワ報道官の発言は、一国の外務省報道官の発言としては水準以下であり、無礼かつ無知で偏向している」とし、「国際社会のルールをまじめに遵守する国の基準からすると、忌まわしい詭弁だ」と述べた。これもまた、外交の世界では珍しい強い口調だ。さらに、チョン・ビョンウォン外交部次官補は同日午後、ゲオルギー・ジノビエフ駐韓ロシア大使をソウル世宗路(セジョンノ)の外交部庁舎に召致し、「ロシアが真実に背を向け、無条件に北朝鮮をかばいながら、一国の首脳の発言を無礼な言葉で非難したことは非常に遺憾だ」と述べた。

 韓ロ間の激しい言葉の応酬はこれで終わりではなかった。キム・ゴン朝鮮半島平和交渉本部長とチョン・ビョンウォン次官補は、アンドレイ・ルデンコ外務次官(アジア太平洋担当)とそれぞれ2日にソウルで会い、「ロ朝軍事協力に対する厳重な立場」を伝えたと、外交部が4日に明らかにした。北朝鮮はウクライナと戦争中のロシアに砲弾など通常兵器を供与し、ロシアは北朝鮮に先端軍事技術を伝授しているとみられる中で、それについて警告したのだ。

 韓ロ両国が互いに言葉の応酬を繰り返す姿は一日で作られたわけではない。シン・ウォンシク国防部長官は先月24日、コリアヘラルドとのインタビューで、韓国政府のウクライナ支援が人道主義的・財政的レベルだけに制限されたことについて、「個人的には自由世界の一員として全面支援が進むべき道だと思うが、政府政策を支持する」と発言した。これに対し、ザハロワ報道官が26日、「我々は韓国政府に対し、一時は友好的だったロシアとの関係を崩壊させかねない無謀な行動について警告する」と言及したことを受け、外交部は28日、「韓ロ関係の管理においては、今後これに関連したロシアの去就が非常に重要だという点を警告する」と述べた。

 しかし、北朝鮮を批判した尹大統領の発言にロシアの外交部報道官が反発するのは異例だというのが専門家たちの反応だ。ウィ・ソンラク元駐ロシア大使は、「韓ロ関係でもなく、北朝鮮の核問題について、ロシア外交部があのように反応したことは理解できない」としたうえで、「それだけ韓ロ関係が悪化しており、互いに敏感になっていることが分かる」と語った。韓国外国語大学のチェ・ソンフン教授(ロシア語)は「外交部は韓ロ関係がうまく管理されていると主張するが、これはあまりにも希望混じりの韓国だけの判断」だとし、「韓ロ関係が危険な状況だという認識のもと、発言と行動は慎重にしなければならない」と指摘した。

シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1127215.html韓国語原文入力:2024-02-04 20:19
訳H.J

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