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「梨泰院追悼式は政治集会」だという尹大統領に遺族「ひどい侮辱」

登録:2023-10-28 02:18 修正:2023-10-30 06:57
10・29梨泰院惨事遺族協議会のイ・ジョンミン運営委員長
6日間のサウジアラビア、カタール国賓訪問を終えた尹錫悦大統領とキム・ゴンヒ女史が26日午前、京畿道城南市のソウル空港に帰国し、車へと向かっている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が29日に行われる梨泰院(イテウォン)雑踏事故惨事から1年の追悼大会のことを「政治集会」だとして、不参加を表明したことに対し、尹大統領を招いた梨泰院惨事の遺族は「政治集会というレッテルを貼って遺族を侮辱している」と批判した。

 梨泰院惨事遺族協議会のイ・ジョンミン運営委員長は27日、文化放送(MBC)ラジオの番組「キム・ジョンベの視線集中」に出演し、「野党が主導する政治集会なので参加できないという龍山(ヨンサン=大統領室)の説明をどのように受け止めたか」と司会者に問われ、「非常に侮辱されたと感じた」と述べた。

 イ委員長は「私たちが子を失い、悲しみについて訴えつつ、親たちがその痛みを共有するために行う追悼祭」だとし、「大統領だったら当然来て遺族をいたわり、国民に対して安全についてのメッセージも投げかけるべきなのに、逆に『政治集会』というレッテルを貼って遺族たちを侮辱するのか、本当に理解できない」と批判した。

 遺族は18日、「梨泰院惨事真相究明特別法」の制定を要求した際に、1年目の追悼式に尹大統領を招いた。しかし大統領室は26日、遺族単独ではなく野党4党との共催であることをあげ、純粋な追悼式ではないとして、尹大統領の不参加を明らかにした。イ委員長は「1年間、大統領として国民の命と安全を守れなかったことについていかなるメッセージも発していないため、せめて(追悼式に)来て大統領のメッセージを伝えてほしいという意味で招いたのだが、それさえも拒否する姿を見て実に情けない思い」と語った。

 イ委員長は、イ・サンミン行政安全部長官の10日の国政監査での発言についても批判した。イ長官は国会行政安全委員会による国政監査で「災害というものは不幸にも繰り返されるもので、そのたびに責任者が辞めるかたちでは、災害は絶対に防止できない」と述べた。

 これについてイ委員長は「災害が発生しないように自らの職をかけて防ぐというメッセージを国民に投げかけてこそ国民は安心するのに、常に発生しうると言ってしまったら、国民は不安を抱えてどうやって日常を生きていくのか」と指摘した。「災害が発生するたびに責任者が責任を取って辞めてこそ、その次にその職に就く人は緊張するし、自らは(前任責任者のように)ならないように最善を尽くすと思う」と付け加えた。

イ・ユジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1113922.html韓国語原文入力:2023-10-27 15:00
訳D.K

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