韓国陸軍が洪範図(ホン・ボムド)、金佐鎮(キム・ジャジン)、安重根(アン・ジュングン)など独立活動家を称える陸軍士官学校の「独立戦争英雄室」の撤去に突入した。陸軍は抗日闘争の将軍たちを称える場だった部屋を、高句麗・隋戦争、朝鮮戦争、ベトナム派兵など「国難克服史」の学習室に変える計画だ。
野党「共に民主党」のチョン・ソンホ議員室が20日に陸軍から受け取った答弁資料によれば、陸軍は「独立戦争英雄室の改編を16日に着工し、来月2日までに完了する予定」だと明らかにした。今週はじめから抗日独立闘争の将軍たちの名前が書かれたプレートや掲示物などの撤去作業に入ったという趣旨だ。
陸軍士官学校校内の生徒総合教育施設である忠武館には、2018年に洪範図、安重根、金佐鎮、李会栄(イ・フェヨン)など7人の独立活動家の名前を付けた「独立戦争英雄室」が設けられた。ところが陸軍は昨年11月、陸軍士官学校の現場討議で「独立戦争英雄室」を「従北および偏向性に対する懸念」がある事例だとして取り上げ、「士官生徒の国家観、安保観、歴史観の向上のための部屋として活用」するという計画を明らかにした。続いて今年1月と5月にパク・ジョンファン陸軍参謀総長に撤去計画を報告した後、7月に陸軍士官学校に撤去・改変作業に必要な予算3億7200万ウォンを配分した。
これに伴い「独立戦争英雄室」は、古代から朝鮮時代、植民地時代の抗日武装闘争、朝鮮戦争などを紹介する学習空間に変わる。「特定の人物を称える空間(ではなく)時代ごとの国難克服史を学習する空間」(昨年11月、陸軍士官学校発展現場討議の資料)として使うという趣旨だ。これまで「独立戦争英雄室」に設置されていた抗日闘争の将軍の活動を紹介する掲示物は、高句麗・隋戦争、壬辰倭乱(豊臣秀吉の朝鮮侵略)、旧韓末の義兵活動、ベトナム派兵などについての年表などに置き替わる。
洪範図の胸像の移転論争後も陸軍が「抗日闘争史」の削除を強行したことで、野党からは批判の声が出ている。チョン・ソンホ議員は「陸軍士官学校からの独立軍の歴史削除が現実のものとなっている」とし、「陸軍士官学校は国民が同意しない独立英雄室撤去を直ちに中止せよ」と述べた。