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大田の教員の死でキムパプ屋営業停止…抗議続々=韓国

登録:2023-09-10 22:10 修正:2023-09-21 11:45
「悪質クレームの保護者がのり巻きフランチャイズ店経営」とのうわさ 
ネチズンの抗議に本社「営業停止措置…深い哀悼」
大田儒城区の小学校教員が自ら命を絶った。8日午後、死亡した教員が勤めていた学校前に飾られた花輪の前で、同僚教員が泣き崩れている/聯合ニュース

 大田市儒城区(テジョンシ・ユソング)の小学校教員が保護者の悪質なクレームを苦にして自殺した事件が、あるフランチャイズ本社にまで飛び火している。自殺した教員に数年間にわたってクレームを入れ続けて死に至らしめたとされる保護者が、大田でこの会社のフランチャイズ店を経営しているという話がインターネットで拡散したためだ。

 キムパプ専門店の「正しいキム先生」本社は10日、自社SNSで、同店舗の営業停止を告知した。

 同社は「大田の加盟店に関する内容を速やかに確認中」だとしつつ、「理由を問わず、内容が確認されるまでの営業停止措置であり、今後事実関係に沿ってさらなる措置を取る予定」と述べた。続けて「これ以上このような痛みが繰り返されないことを願う」とし、「亡くなられた先生のご冥福をお祈りするとともに、遺族の方々に深い哀悼の言葉を申し上げる」と述べた。

 大田教師労組や警察などによると、大田儒城区のある小学校に勤めていた教員のSさん(42)が5日に自宅で意識を失っているのが家族に発見され、病院で治療を受けていたが、7日に死亡した。

 Sさんの遺族たちは警察の調査で、「3年前に在職していた小学校の保護者から児童虐待で告訴されるなど、悪質なクレームに苦しめられていた」とし、「(児童虐待は)嫌疑なしとされ、今年は学校も転勤しているが、苦しみを訴え続けていた」と証言しているという。大田教師労組は、Sさんは最近、ソウル瑞草区(ソチョグ)の教員死亡事件などが相次いで報道されたことで、トラウマを訴えていたと語った。

教員死亡事件の原因として保護者の悪質なクレームが指摘されたことで、クレームを入れた保護者が経営するとされるフランチャイズ店にネチズンたちが抗議文を貼り付けた=SNSより//ハンギョレ新聞社

 このことが報道されると、インターネットで「悪質なクレームを入れ続けていた保護者の一人が大田儒城区で『正しいキム先生』の店を経営している」ことが広がり、ネチズンたちは抗議文をその店舗に貼り付けたり、フランチャイズ本社のSNSなどに抗議のコメントを書き込んだ。

 本社のSNSには「名前と違って先生を殺すキムパプ屋はもう利用しない」、「キム先生という名を変えろ」などの抗議が相次ぎ、本社のインスタグラムのアカウントが閉鎖されてもいる。一部のネチズンは、大田にある同店舗の写真を撮ってインターネットで共有している。

 ネチズンの公憤がフランチャイズ本社にまで広がったことから、本社は同店舗に対して営業停止措置を下したとみられる。

 しかし一方では、一店主の逸脱行為の責任をフランチャイズ本社にまで問うなど、不買運動が拡大することに対しては懸念も示されている。

ユ・ソンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/consumer/1107821.html韓国語原文入力:2023-09-10 09:44
訳D.K

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