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韓国で「汚染水→汚染処理水」名称変更めぐり世論戦…野党「韓国政府は東電の口か」

登録:2023-08-31 08:01 修正:2023-08-31 09:31
国民の力のユン・ジェオク院内代表(中央)が30日午前、国会で行われた水産物の消費活性化に向けた水協と給食業者との共生協力協約式で発言している/聯合ニュース

 韓国政府・与党が福島第一原発の「汚染水」を「汚染処理水」へと名称変更する動きを本格化させている。日本政府が汚染水の放出を始めて1週間もたっていない中、与党指導部は名称変更を主張し、これに歩調を合わせてハン・ドクス首相も名称変更の可能性を示唆した。

 与党「国民の力」のユ・サンボム首席報道担当は30日、国会で記者団に対し、「(汚染水という用語は)今や汚染処理水として公式化すべきだ」と述べた。国民の力「韓国の海を守る検証タスクフォース(TF)」の委員長を務めるソン・イルチョン議員も記者団に対し、「委員長である私が(汚染処理水という用語を)使ったのだから、すでに我が党は(この用語を)公式化したとみるべきだ」と述べた。ハン・ドクス首相もこの日の国会予算決算特別委員会の総合政策質疑で「多核種除去設備(ALPS)を経ているので『処理された汚染水』が科学的に正しい表現だと考える」とし、用語変更を「検討してみる」と語った。

 ただし、名称変更に批判の声があがると、国民の力のキム・ギヒョン代表は「国際的にもトリーテッドウォーター(treated water・処理水)と表現していると理解している」としながらも、「党の公式の立場を決める段階ではない」との立場を明らかにした。ユ首席報道担当もこの日午後、「党レベルでは汚染水問題について、汚染処理水にするかどうかは公式に決まってはいない」と立場を変えた。用語変更をめぐる立場を行きつ戻りつさせつつ世論を探っているようだ。

 野党「共に民主党」はこうした政府与党の対応を批判した。イ・ソヨン院内報道担当は書面ブリーフィングで、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が仕える対象は国民なのか、それとも日本なのか」と指摘した。ウィ・ソンゴン議員はこの日の国会予算決算特委で「韓国政府は東京電力の口になった」と述べた。

ソン・ヒョンス、ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1106480.html韓国語原文入力:2023-08-30 19:54
訳D.K

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