本文に移動

駐韓中国大使の発言で冷え込んだ韓中関係、外交チャンネルの強化で破局防止なるか

登録:2023-07-17 02:06 修正:2023-07-17 07:54
パク・チン外交部長官と王毅中国共産党中央政治局委員が14日午後、ASEAN関連外相会議に出席するために訪問したインドネシアのジャカルタで、2国間会談を行った=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 パク・チン外交部長官と王毅中国共産党外交担当中央政治局委員が会談し、「意思疎通の強化」を約束したことで、先月、ケイ海明駐韓中国大使の「賭け」発言でさらに冷え込んだ韓中関係の悪化に歯止めがかかる見通しだ。しかし中国は繰り返し台湾問題に言及し「一つの中国」原則を強調しており、今後さらにきめ細かな対中外交が求められるものとみられる。

 パク長官は14日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議への出席を機に、インドネシアのジャカルタで王毅委員と45分間会談し、外交安全保障対話▽次官級戦略対話▽1.5トラック対話など、多様なレベルの両国間の意思疎通と交流を強化していくことで合意した。外交部は、パク長官が「両国が和而不同(調和を成すが同じにはならない)の精神と徳を繰り広げる君子の道をもとに、友好関係を発展させていきたい」と述べたことに対し、王委員も積極的に呼応したと説明した。

 中国外交部の15日の発表によると、王委員は「双方が地理的近接性、経済的相互融合性、人文側面においてつながりを持つメリットを生かし、干渉を排除し、互いに仲良くしながら、各レベルの交流を再開することで、互恵的協力を確実に進めていかなければならない」と強調したという。ここで「干渉の排除」は米中対立構図の中で韓国が米国の中国けん制に加わるのではなく、独自の韓中関係を築いていくべきという意味とみられる。

 中国側は台湾問題にも触れた。王委員は「台湾問題は中国側の核心利益中の核心であり、中韓関係の政治的基礎および基本的な信義と関連したもの」だとし、「韓国側が『一つの中国』原則を厳守し、(台湾問題を)慎重かつ適切に処理することを望んでいる」と述べた。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が4月、ロイター通信とのインタビューで、「台湾問題は南北のようにグローバルな問題だ」とし、「一方的な現状変更に反対」すると述べた点を念頭に置いたものとみられる。これに対し、パク長官は「韓国は一つの中国の原則を堅持してきた」とし、「台湾海峡の平和と安定が重要だ」という韓国の基本的な立場を確認したと、外交部は伝えた。

 パク長官は王委員に、先月中国のケイ海明駐韓大使が野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表を官邸に招待し、「中国の敗北に賭ける人々は後で必ず後悔するだろう」と発言したことに対する韓国側の懸念を伝えたという。ただし、双方は会談結果の発表文でケイ大使の発言問題には触れず、強い表現は控えた。

 漢陽大学国際学大学院のムン・フンホ教授(中国学科)は「韓中ともに基本的な意思疎通の必要性に共感し、高官同士が会ったという点で、肯定的側面はある」としながらも、「両国の軋轢が解決されたわけではない。韓米日の密着関係が韓中関係に影響を及ぼすため、対米、対日政策も偏らない戦略的アプローチが重要だ」と述べた。

 パク長官は今回のASEAN関連外相会議で、ASEAN地域フォーラム(ARF)など4つの外相会議に出席しており、韓米日3国の外相会議とともに日本、中国、欧州連合(EU)など7カ国の外相らと2国間会談を行った。また、北朝鮮のアン・グァンイル駐インドネシア大使兼駐ASEAN大使と面会し、「非核化に向けた対話を始めよう」とも提案した。

チャン・イェジ記者、ジャカルタ/シン・ヒョンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1100343.html韓国語原文入力:2023-07-16 19:59
訳H.J

関連記事