環境部は3日、光州(クァンジュ)・全羅南道地域の深刻な干ばつに対処するため、「4大河川の堰」を積極的に活用するとの計画を発表した。環境部のこのような発表は、先月31日に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「放置された4大河川の堰を最大限活用せよ」と指示した直後になされた。尹錫悦政権が光州・全羅南道地域の深刻な干ばつを契機として文在寅(ムン・ジェイン)政権の「4大河川の堰の常時開放と解体」政策の撤回に乗り出したのではないかと指摘されている。
環境部はこの日、政府世宗庁舎で「光州・全羅南道地域中長期干ばつ対策(案)の主な方向性」を発表し「漢江(ハンガン)・洛東江(ナクトンガン)・錦江(クムガン)・栄山江(ヨンサンガン)の4大河川本流の16の堰を水の器として最大限活用し、干ばつ対策に役立てる方策を推進する」と発表した。
環境部はこの日、「過去に経験した最も深刻な干ばつ」を基準とした第1段階基本対策と、「気候変動で以前には経験しえなかった極限の干ばつが発生した時」を基準とした第2段階非常対策を分け、長興(チャンフン)ダム~道岩(トアム)ダム間の導水管路の設置▽地下水貯留ダム2カ所設置などを内容とする中長期対策を打ち出した。そして、極端な干ばつでも安定的に水が供給できるようにするとして、4大河川の堰を活用する案を推進すると述べた。具体的には「4大河川の堰の影響区間にある70の取水場および揚水場と71の地下水使用地域に生活・工業・農業用水を安定的に供給できるようにする計画」だと語った。
環境部の「4大河川堰を水の器として活用」する計画は、先月31日に尹大統領が光州・全羅南道の6市・郡に水を供給する住岩(チュアム)ダムを訪問した際に「このかん放置されていた4大河川の堰を最大限活用するとともに、老朽管路の整備に万全を期さなければならない」と語った直後に発表された。「4大河川堰水器論」は、李明博(イ・ミョンバク)政権が4大河川事業を推進する際に掲げた論理だ。環境部が尹大統領の言動に合わせてこのような対策を発表したことについて、文在寅政権の「4大河川堰常時開放、解体」政策を覆すシグナルだと指摘する声があがっている。
環境運動連合の「命の川」特別委員会のイ・チョルチェ副委員長は「すでに栄山江では水質悪化などの非常事態に備えて取水場と揚水場を改善する工事が進められている」ことなどをあげ、「4大河川の堰の開放と今回の干ばつに関連性はないにもかかわらず、環境部が大統領の一言で動いている格好」だと語った。