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「歴史は記憶闘争」…米軍基地内の日帝の造兵廠保存を求める三一節デモ

登録:2023-03-02 02:56 修正:2023-03-02 07:36
三一節の3月1日、仁川の富平米軍基地「キャンプ・マーケット」で、旧造兵廠病院の存続を求めて市民団体による事前集会が開かれている=イ・スンウク記者//ハンギョレ新聞社

 富平(プピョン)米軍基地の汚染された土壌浄化のため、旧造兵廠病院を撤去しようとしている国防部に反発した仁川(インチョン)地域の市民社会団体が、三一節(独立運動記念日)に街頭に出た。

 「3・1精神継承と強制動員の歴史である造兵廠を守る万歳行進推進委員会」は1日、仁川富平区のキャンプ・マーケット正門前で集会を開催し、「旧造兵廠病院を強制動員の痕跡が残された記憶の空間にすべきだ」と述べた。集会には主催者の推計で100人あまりが集まった。富平米軍基地の造兵廠は、太平洋戦争を起こした日本が兵器を生産するために作った場所だ。旧造兵廠病院は解放後には米軍が駐留し、多目的倉庫などとして利用した。

 日本陸軍造兵廠歴史文化生態公園推進協議会のイ・ミヌ共同代表は「三一節は日本の無断統治に反対して朝鮮独立を叫んだ歴史的な日」だとし「日帝の苛酷な植民地支配を示す旧造兵廠病院を国防部と仁川市は撤去しようとしている。撤去はせず、日本の植民地支配の痕跡、証拠として残すべきだ」と主張した。

 仁川キョレハナのチャン・スギョン執行委員長も「造兵廠があったこの場所は、解放後には米軍が駐留した。造兵廠キャンプ・マーケット返還の歴史は韓国の自主と独立のための闘争だった」とし、「これからの闘いは植民地の歴史を忘れないための記憶闘争、認定闘争」だと述べた。

 旧造兵廠病院の撤去は、汚染された土壌の浄化作業と深い関係がある。旧造兵廠病院は、国防部の土壌浄化作業が予定されている富平米軍基地キャンプ・マーケットB区域にある。キャンプ・マーケットB区域からは基準値を超える高濃度の油(TPH)が発見されている。国防部は、同地域の土壌浄化のためには旧造兵廠病院を撤去しなければならないという立場に立つ。これに対し仁川市は昨年、国防部に浄化作業の中止を要請した。

 しかし仁川市は合意を導き出すことに失敗し、1月19日に「国防部に要請していた(キャンプ・マーケット)B区域の浄化工事の臨時中止要請を撤回し、浄化工事を正常化する」と表明した。これに対し歴史文化生態公園推進協議会は「キャンプ・マーケットB区域に発がん性物質がある可能性があるという趣旨の偽りの主張により、市民同士の対立を誘発した」として仁川市の担当部署長を相手取って公益監査を請求している。

イ・スンウク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/1081734.html韓国語原文入力:2023-03-01 15:54
訳D.K

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