「大庄洞(テジャンドン)開発特恵疑惑」で、野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表をこれまでに2回呼び出して取り調べた検察は、早ければ今週中にもさらなる召喚調査なしに拘束令状を請求する見通しだ。しかし、検察が大庄洞事件とは別に進めている「栢ヒョン洞(ペクヒョンドン)開発特恵疑惑」についての捜査の一環として、イ代表に再び出頭を求める可能性も残されている。
12日の本紙の取材を総合すると、ソウル中央地検反腐敗捜査1部(オム・ヒジュン部長)と3部(カン・ベクシン部長)は2回の出頭取り調べをもとに、イ代表に対する拘束令状の請求を検討している。捜査チームは、イ代表が書面陳述書で答弁に代えるなど、対面調査での供述を事実上拒否していることや、釈明の機会を十分に提供したことなどを考慮し、さらなる出頭は要請しない方針を固めたという。
イ代表は先月28日と10日に行われた2回にわたる検察による取り調べで、1回目の取り調べの際に提出した33ページの書面陳述書をもって答弁に代え、具体的な供述は避けた。イ代表は10日の調査終了後、記者団に対し「陳述書の単語の意味や文章の解釈で半分の時間を費やし、意見を聞かれることがかなり多かった。なぜ改めて呼んだのか疑わしいほどだった」とし、「検察が捕らえた大庄洞関係者の翻された供述以外には何の根拠も見出せなかった」と述べた。
最高検察庁は、大庄洞捜査チームから捜査結果などの報告を受け、拘束令状を請求するかどうかを決めるとみられる。検察の内外からは、イ代表に関する調査がすでに終了している「城南(ソンナム)FC後援金疑惑」とひとまとめにして今週中に拘束令状を請求するとの見通しが示されている。検察は、イ代表にかけられている背任容疑が重刑の可能性のある重大な犯罪であること、2回の取り調べでイ代表が事実上供述を拒否するなど、捜査に協力していないことなどを強調するものとみられる。ただし、検察が拘束令状を請求しても、民主党が国会で過半数の議席数を占めているため、逮捕同意案が可決される可能性は低い。
一方、大庄洞事件とは別に、検察が「栢ヒョン洞開発特恵疑惑」についてイ代表に改めて出頭を求めて取り調べる可能性があるとの見通しも示されている。水原(スウォン)地検城南支庁から先月27日に栢ヒョン洞事件を引き継いだソウル中央地検反腐敗捜査1部は7日、城南市役所など40カ所あまりに対し、検事と捜査官約180人を動員して大々的な家宅捜索を行っている。
栢ヒョン洞開発は、イ代表が城南市長に在職中の2015年に、政府の公共機関移転計画に沿って韓国食品研究院が地方に移転し、空いた敷地にマンション団地を造成した事業。城南市は、当時は自然緑地となっていた敷地用途を準住居地域へと4段階引き上げたが、この過程でアジアデベロッパーなどの民間事業者に恩恵を与えたとする疑惑が持ち上がった。アジアデベロッパーが迎え入れた当時のキム・インソプ元代表が城南市に対してロビー活動を展開し、用途変更を引き出したのではないかという疑惑もある。
検察の関係者は「大庄洞事件はイ代表の取り調べを終えたばかりだ。2度目の取り調べを最後としてできるだけ調査を終えようという捜査チームの立場には変化がない」とし、「捜査の初期段階である栢ヒョン洞事件は、前回の家宅捜索で確保した押収品を分析している。現在のところは最終決裁権者(イ代表)に対する調査が必要な段階ではない」と述べた。