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文前大統領「民主主義を後退させてはならない…党代表を中心に民生解決を」

登録:2023-01-03 03:18 修正:2023-01-03 07:57
検察による全方位的な捜査に対する危機感を共有 
「分裂は共倒れ」以心伝心
共に民主党のイ・ジェミョン代表が2日、新年にあたって慶尚南道梁山平山村の文在寅前大統領を訪問した=共に民主党提供//ハンギョレ新聞社

 イ・ジェミョン代表をはじめとする共に民主党の指導部は2日、新年にあたって慶尚南道梁山(ヤンサン)の平山村(ピョンサンマウル)を訪れ、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領を表敬訪問した。文前大統領はこの席で「苦労して成し遂げた民主主義は絶対に後退してはならない」とし「イ・ジェミョン代表を中心として民主党は民生経済解決に努めなければならない」と語ったという。民主党の前・現指導部が、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の検察による全方位的捜査に対する危機感を共有しつつ、「党内統合」を強調したと解釈される。

 イ代表は2日正午ごろ、慶尚南道梁山の平山村を訪れ、文前大統領夫妻と1時間40分あまりにわたって昼食を共にした。イ代表をはじめとする党指導部と文前大統領は、キム・ジョンスク女史が自ら準備した平壌温飯(ピョンヤン・オンバン)、キムチとマッコリを楽しみつつ政局懸案について語り合ったという。民主党のアン・ホヨン首席報道担当は「文在寅前大統領はイ・ジェミョン代表と最高委員に『民主党はよく働いて国民に希望を与える政党になってほしい』と語った」とし、「特に文前大統領とイ代表は『苦労して成し遂げた民主主義は絶対に後退してはならない』という認識を共有した」と語った。ある参加者は「文前大統領が『思ったより(民主主義の)後退が速いと思う』と述べ、党指導部も『政治から対話と妥協が消え、今後がさらに心配』だと語った」と述べた。文前大統領はこの席で「民生経済が実に厳しいところだが、イ代表を中心として民主党は民生経済を解決するために最善の努力をしてほしい」という趣旨の話もしたという。

共に民主党のイ・ジェミョン代表をはじめとする同党指導部が2日、新年を迎えて慶尚南道梁山平山村の文在寅前大統領夫妻を訪問した=共に民主党提供//ハンギョレ新聞社

 2人はまた、梨泰院(イテウォン)惨事と安保不安問題に対する批判的見解も共有したという。アン報道担当は「梨泰院惨事について『真の癒しが必要だ』という点で互いに共感する趣旨の発言があった」とし「また、休戦協定70周年なのに南北の緊張が高まり、安保が不安にさらされている状況に対する懸念と共に『より強固な平和を実現するよう共に努力しなければならない』との発言もあった」と語った。

 イ代表はこの日の日程を終えた後、フェイスブックに「『苦労して成し遂げた民主主義は絶対に後退してはならない』というお言葉に深く共感し、私もまた同じ意見を申し上げた」とし、「文前大統領とキム・ジョンスク女史が共に握ってくださった手、温かく包んでくださった気持ちを深く秘め、揺らぐことなく進んでゆく」と記した。

 イ代表が文前大統領を表敬訪問したのは、イ代表の就任直後の昨年8月に続き2度目。この日の対面は、10~12日の検察によるイ代表の召還を控え、党内の「イ・ジェミョン支持派」と「非イ・ジェミョン派」への分化の可能性が取りざたされる中で行われた。文前大統領はこの日の対面で、現在進行中の検察捜査には直接触れなかったが、民主主義の後退に対する危機感を共有しつつ、党指導部側に力を与えたという解釈がなされている。これに先立ち文前大統領も、年賀状で「特に寒い冬だ。癒されない梨泰院惨事の痛みと、責任も取らず、慰めることもできない醜い姿が心まで寒くする」「経済は厳しく、国民生活は疲弊し、安保は不安だ」と述べ、心苦しさを表明している。党のある関係者は本紙に対し、「イ代表と文在寅前大統領は、いずれも検察の刃に直面している状況にあり、分裂はすなわち共倒れだということで通じ合っている」と述べた。

 イ代表は同日夜に慶尚南道の昌原(チャンウォン)コンベンションセンターで行われた「傾聴ツアー国民報告会」で、「自分の側は罪を犯しても何の咎めもなく、相手は存在しない罪すら作って罰を与えるのであれば、国家共同体がまともに維持できるだろうか」と語った。検察がイ代表ら野党関係者を集中的に捜査する一方、尹大統領の妻のキム・ゴンヒ氏のドイツモーターズ株価操作疑惑の捜査には消極的だと批判したのだ。

イム・ジェウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1074120.html韓国語原文入力:2023-01-02 17:53
訳D.K

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