年末が近づくにつれ、コロナ禍で押さえつけられていた海外旅行への欲求が爆発している。 観光客は冬にも暖かい旅行地として知られる東南アジア諸国を中心に旅行先を探している。 韓国の空港業界もこれに歩調を合わせて東南アジア地域の空港開発と路線開設に拍車をかけている。
21日、韓国の旅行業界の最大手、ハナツアーは先月、東南アジア(41.2%)が日本(33.4%)を抜いて最も多い海外旅行予約率を記録したと発表した。東南アジア内ではベトナム(35.4%)とタイ(24.8%)の順で予約が多かった。
東南アジア諸国も今冬を基点に多くの韓国人観光客が訪れるだろうという期待感を示している。 国内総生産(GDP)の9.1%が観光業であるラオスもその一つだ。 2015年に16万5000人余りだった韓国人観光客は、2019年には20万3000人余りまで増え、タイや中国、ベトナムに次いで4位(4.2%)となった。ラオスは約2年間閉鎖していた国境を5月に開放した。
国境を開放してから6カ月が経ったが、ラオスの観光業は依然として低迷している。17日(現地時間)に訪れたラオスの代表的な観光都市であり、都市全体が世界文化遺産に指定されたルアンパバーン国際空港の最上階のフードコートには、閉店した飲食店の韓国語の看板だけがぽつんと並んでいた。フードコートの中には廃業した飲食店の器物があちこちに散らばっているなど、コロナ禍の余波が依然として残っているように見えた。ラオスで韓国人を対象に旅行ガイドをしているソ・ジョンソクさん(49)は「観光業に従事していた韓国人80%がコロナ禍の中でラオスを離れた」とし、「韓国人観光客の規模はコロナ禍以前の10%に過ぎない」と語った。
しかし、空港業界は今後ラオスが東南アジア観光と運送の中心地になる潜在力が十分あるとみて、投資を増やしている。危機をチャンスとしてとらえているのだ。韓国空港公社は、ルアンパバーン国際空港の官民協力投資事業(PPP)の受注を狙っている。1998年に建てられた同空港は国内線と国際線のターミナルが一つの空間にあるなど、施設が劣悪だ。公社は17日、ルアンパバーン州政府などを対象に2000億ウォン(約208億円)を投入して現在の施設を改善・拡張し、現在年間120万人の収容人員を460万人に増やす構想を発表した。受注に成功すれば、公社は来年から2073年まで空港運営権を確保することになる。ルアンパバーンと韓国間の直航路線もできる見通しだ。ラオス政府も観光産業を主な育成分野に指定し、ルアンパバーン内に経済特区を造成する方針だ。
ハナツアーでチーム長を務めるチョ・イルサン氏は「ラオスは他の東南アジア諸国より物価も安く、観光資源が多いため、インフラさえ整えば魅力的な観光地に浮上する潜在力がある」と話した。