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尹大統領、MBCの専用機搭乗排除は「悪意的行動に対する憲法守護のため」

登録:2022-11-19 06:31 修正:2022-11-19 07:54
MBC「言論の自由を萎縮させる脅しじみた発言」 
民主党「大統領は歪んだ言論観を強要してはならない」
尹錫悦大統領が18日、龍山大統領室に入る際、記者団の囲み取材に応じている=ユン・ウンシク先任記者//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は18日、「文化放送(MBC)」取材陣の大統領専用機への搭乗を拒否した理由について、「韓国の国家安保の核心軸である同盟関係を事実と異なる『フェイクニュース』で仲違いさせようとする悪意的な行動を取ったため」だとし、「大統領の憲法守護の責任の一環としてやむを得ない措置だった」と述べた。今年9月の歴訪中に尹大統領の卑語発言を初めて報道したMBCを東南アジア歴訪専用機搭乗から排除した決定を「憲法守護」と結び付けたわけだ。

 尹大統領は同日、龍山(ヨンサン)大統領室への出勤途中、「MBCに対する専用機搭乗排除は選択的な言論観ではないか」と尋ねた記者団の質問にこのように答えた。

 尹大統領は「言論も立法、司法、行政と共に民主主義を支える4つの柱」だとしたうえで、「言論の自由も重要だが、民主主義を支える柱として責任が重要だ」と述べた。さらに「司法府が事実と異なる証拠を捏造して判決したとすれば、国民が『司法府は独立機関だからそれについては問題視してはならない』と言うわけがないだろう」と返した。尹大統領は専用機内で親しい記者2人を別に呼んで面会したことに対しては、「個人的なことであり、取材に応じたわけではない」と述べた。また「専用機は公的な空間ではないか」と質問が繰り返されると、「他に(質問)ありませんか」と答えを避けた。

 MBCの記者が執務室に移動しようとする尹大統領に向かって「MBCが何を悪意的に報じたというのか」と追加で質問をすると、イ・ギジョン大統領室広報企画秘書官が敬語をつけずに「無礼だろ」と遮り、舌戦が繰り広げられる場面もあった。その後、報道官室は「MBCが悪意的である10の理由」という題の書面ブリーフィング資料まで出し、MBCを積極的に批判した。MBCが尹大統領の卑語が米議会に向けられたかのように字幕をつけたなどの内容だ。

 MBCは同日、立場を発表し、「大統領の発言に対する言論の報道と検証、批評活動に対して、政府の首班であり国家元首が明確な根拠なしに『フェイクニュース』と規定し、『悪意的行動』と言ったことは、憲法の価値である言論の自由を萎縮させかねない脅しじみた発言」だとし、遺憾を表明した。

 野党からも批判の声があがった。共に民主党のアン・ホヨン首席報道官は「韓国の憲法は言論の自由を保障し、大統領は憲法を守護すべき責任を負う」とし、「報道機関が大統領の過ちを見て見ぬふりをして、目をつぶらなければならないというのか。尹大統領は歪んだ言論観を報道機関に強要してはならない」と論評した。

キム・ミナ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1067917.html韓国語原文入: 2022-11-18 23:26
訳H.J

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