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「『慰安婦』被害者、根深い構造的性差別を経験…政府は無視するのか」

登録:2022-10-06 04:04 修正:2022-10-06 09:21
1564回水曜デモで 
「尹政権の女性家族部廃止? 『局面転換用』のカードに過ぎない」
5日午後12時、ソウル鍾路区中学洞の旧駐韓日本大使館前で行われた「第1564回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ」で、京畿道始興市桂寿初等学校6年生の生徒たちが『岩のように』に合わせて踊っている=パク・チヨン記者//ハンギョレ新聞社

 「歴史的に根深い構造的性差別の最前線で向き合っている方々こそ、日本軍『慰安婦』被害者たちです。『女性家族部を廃止する』という尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、韓国社会の性差別とジェンダー暴力をすべて個人の責任にするいうことですか」(進歩大学生ネットのキム・ミヘさん)

 5日にソウル鍾路区中学洞(チョンノグ・チュンハクトン)の旧駐韓日本大使館前で、第1564回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモが行われた。デモに参加した市民たちは、女性家族部を廃止し、関連機能を保健福祉部の傘下組織に移管するという前日の政府発表について「構造的性差別を無視している」と批判した。

 集会で発言に立った進歩大学生ネットのキム・ミヘさんは「女性家族部廃止は過去の保守政権で何度も議論されたが、結局は必要性を認知して引っ込めるのが常だった。私たちは先日の『新堂(シンダン)駅ストーカー殺害事件』をしっかりと見つめ、社会の中の女性憎悪犯罪を目撃した。私たち女性は依然としてキャリア断絶などの構造的性差別の中に置かれて生きている」と述べた。続いてキムさんは「この問題に歴史的に最前線で向き合っている方々こそ、日本軍『慰安婦』被害者だ。被害者の方々は、これまでの韓国社会のジェンダー暴力と性差別は構造的性差別に起因するということを証明する」とし、「にもかかわらず『2015年韓日慰安婦合意』を拙速に推進した政府は(今回またしても)女性家族部廃止によって根深いジェンダー暴力と性差別を個人の過ちにしようとしている」と強調した。

5日午後12時、旧駐韓日本大使館前で行われた「第1564回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ」で発言する正義記憶連帯の活動家=パク・チヨン記者//ハンギョレ新聞社

 差別禁止法制定連帯のイ・ジョンゴル共同代表もマイクを握り「差別禁止法制定の一つもできない尹錫悦政権は、ストーカー殺害で亡くなった新堂駅女性労働者を追悼すべき瞬間に『女性家族部廃止』を語っている」とし、「女性が安全に働ける社会をきちんと作ることこそ、いま国がなすべきこと」と述べた。

 政府は4日、女性家族部を廃止し、関連機能を保健福祉部に移管する政府組職再編案を発表した。これに対し市民団体は「性平等政策の後退」と批判した。正義記憶連帯など全国286の女性市民団体が集まった「女性家族部廃止阻止のための共同行動」は前日、文書で立場を発表し、その中で「政治的危機のたびに『女性家族部廃止』を取り上げ、女性の人権と性平等政策を後退させようとする政府と与党『国民の力』を強く糾弾する」とし、「尹錫悦政権と国民の力は、女性家族部廃止に反対する女性と多くの市民の声を聞き、『女性家族部廃止』の試みを直ちに中止せよ」と述べた。

5日午後12時、旧駐韓日本大使館前で行われた「第1564回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ」には、40人あまりの市民が参加した=パク・チヨン記者//ハンギョレ新聞社
パク・チヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1061465.html韓国語原文入力:2022-10-05 16:05
訳D.K

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