尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長やロッテグループのシン・ドンビン(重光昭夫)会長ら経済人を含む「8・15光復節特別赦免」を断行した。
政府は12日午前、政府ソウル庁舎で会見を開き、「主要経済人や中小企業家・小商工人、労使関係者など1693人に対する特別赦免を実施する」と明らかにした。政府は、建設業、自家用貨物車・旅客運送業、公認仲介業、生計型漁業の漁業免許・許可、運転免許などの行政制裁の対象者59万3509人に対する特別減免措置を施行し、模範囚649人を仮釈放した。尹大統領はこの日午前、龍山大統領室庁舎への出勤途中の囲み取材で「今回の赦免は、何より国民の生活と経済回復に重点を置いた」と明らかにした。
この日の特別赦免には、経済危機の克服を理由に、財界関係者が多く含まれた。主な経済人としては、刑の執行が終わったサムスン電子のイ・ジェヨン副会長が復権し、執行猶予期間であるロッテグループのシン・ドンビン会長が特別赦免され復権した。東国製鋼のチャン・セジュ会長とSTXグループのカン・ドクス元会長も赦免対象に名前が挙がった。法務部は「グローバル経済危機の状況下で国家経済の躍動性と活力が低下し、景気低迷が長期化することへの懸念がある」としたうえで、「積極的な技術投資と雇用創出により、国家の持続的な成長動力を主導する主要経済人に対する厳選された赦免を通じ、経済危機の克服に寄与できる機会を提供した」と説明した。
関心を集めた李明博(イ・ミョンバク)元大統領とキム・ギョンス元慶尚南道知事は、赦免名簿から除外された。尹大統領の国政支持率が20%台に留まる状況では、李元大統領の赦免を断行した場合、政権に悪影響を及ぼす可能性があるという政治的負担によるものとみられる。この日の会見に出席したハン・ドンフン法務部長官は、「今回の特赦では、政治家と公職者は赦免対象に含めなかった。現時点での韓国社会の最も至急かつ重要な懸案は、国民の生活と経済だという点を深く考慮した」と述べた。
政府は「労使統合」を理由に、労使関係者に対する赦免も断行した。民主労総のチョ・サンス公共運輸労組委員長と韓国労総のホ・グォン常任副委員長、現代重工業のハン・ヨンソク代表が赦免者名簿に名を連ねた。法務部は「集団的な対立状況を乗りこえ、労使統合を通じた社会発展を図るため、主な労使犯罪の違反者を赦免の対象に含めた」と説明した。