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韓国の檀国大学、チョ・グク元法相の娘の論文のみ「研究不正」判定

登録:2022-05-16 04:50 修正:2022-05-16 10:44
未成年の共著論文18本中チョ・ミン氏のみが不正判定 
「知人の依頼」認めたソ・ミン教授の論文はお咎めなし 
大学側「パソコンがつかないため理由の確認が難しい」 
「大学に1次調査を任せる方式に限界」との指摘も
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 教育部と檀国大学が調査を実施した未成年共著者のいる同大教授の18本の論文のうち、チョ・グク元法務部長官の娘であるチョ・ミン氏が著者として名を連ねる1本のみが「研究不正」判定を受けていたことが確認された。

 教育部と檀国大の関係者の15日の説明によると、先日教育部の「高校生以下の未成年共著者の研究に対する検証結果」で明らかになった檀国大の1本の研究不正論文は、チョ氏が著者として参加した論文であることが明らかになった。教育部は先月25日、同調査によって「27大学の96件で未成年が不当に著者として掲載されていたことが確認された」と明らかにした。調査対象は、2007年から2018年の間に発表され、未成年が共著者として記載されている1033本の論文や研究だ。檀国大は18本の論文が調査を受けたが、不当著者登録と判定されたのは1本のみだった。

 残りの17本の中には、同大医学部のソ・ミン教授の論文も含まれている。ソ・ミン教授は知人に頼まれ、自分の寄生虫についての2本の論文に複数の高校生を著者として参加させたことが発覚し、批判を受けている。ソ教授はこれについて10日、自身のブログに釈明文を載せ、その中で「高校生が実験に参加し論文著者として記載されることを助けるのは、教授が当然なすべき使命だと考えた」、「今考えれば、こういうことはしない方が良かった」と述べている。

 檀国大学の調査対象となった18本の論文のうち1編だけが研究不正だとの結論が出たことについては、「大目に見た」との疑惑が提起されている。檀国大学の関係者は15日、本紙に対し「研究倫理委員会において、研究関係者などを対象にした調査と委員たちの判断に沿って出された結論だ。研究倫理委の具体的な議論の過程は非公開が原則」とし、即答を避けた。本紙は、ソ・ミン教授が「知人の依頼」があったことを認めたにもかかわらず、研究不正と判断しなかった理由を繰り返し尋ねたが、この関係者は「週52時間制の実施で週末はパソコンを使えず、月曜日にならないとその内容は分からない。分かっても全て話せるかは分からない」と付け加えた。

 教育部による未成年共著者の研究に対する検証結果が物議を醸していることで、大学に1次調査を任せる調査のあり方には限界があると指摘する声もあがっている。教育部の説明によれば、未成年が著者として記載された研究について各大学が研究倫理委の審議と議決を経て検証を実施し、教育部は専門家による再検討を通じてこのような検証の妥当性を確認したという。正義党のソン・ギョンウォン政策委員は「大学が1次的な調査主体になるやり方のせいで穴が開くのだ」とし、「教育部内に入試不正を専門に担当する常設機関がない現構造上、調査の限界は避けられない」と語った。

 一方、政権引き継ぎ委員会が「国政課題履行計画書」に「教育部に『入試不正調査チーム』(仮称)を設置し、アクセスしやすい入試不正申告センターを運用するなど、入試不正対応システムを構築する」との内容を盛り込んだことが12日に確認されている。設置期限は来年上半期と明示している。これは、引き継ぎ委が国政課題の1つとして発表した入試不正に関する大学入試制度改編計画を具体化したものだ。3日に引き継ぎ委が公開した「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権110大国政課題」最終案には「入試不正調査を専門に担当する部署の設置などにより、迅速な入試不正対応システムを構築する」との内容が盛り込まれている。

キム・ミンジェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/1042876.html韓国語原文入力:2022-05-15 15:02
訳D.K

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