本文に移動

文前大統領「我が家に帰ってきてようやく無事に終わったという安堵感を覚える」

登録:2022-05-11 02:35 修正:2022-05-11 09:53
尹大統領の就任式に出席した後、慶尚南道梁山平山村の私邸に 
「妻と何事にも縛られず自由に暮らす」
文在寅前大統領と夫人の金正淑女史が今月10日、慶尚南道梁山市平山村に到着し、歓迎する市民と村の住民たちに挨拶している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が5年の任期を終えて10日午後、慶尚南道梁山(ヤンサン)の自宅に帰った。文前大統領は平山(ピョンサン)村に到着した後、歓迎する住民たちと挨拶を交わしながら「私はもう完全に解放された。自由人だ」としながら、明るく笑った。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が2008年2月24日に退任後、故郷の烽下(ポンハ)村に到着し、住民たちの前で「本当に気持ちいい」と言った場面を連想させる。

 文前大統領夫妻は同日午後、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の就任式が終わった後、ソウル駅で梁山行きの大統領特別列車に乗り込み、蔚山(ウルサン)通度寺駅を経て、午後2時26分頃、車で自宅のある慶尚南道梁山市下北面芝山里(チサンリ)の平山村に到着した。同日、文前大統領の「帰郷」にはイム・ジョンソク元大統領秘書室長とユ・ヨンミン前大統領秘書室長をはじめ、カン・ギジョン元政務首席秘書官やユン・ヨンチャン元国民疎通首席秘書官、ユン・ドハン元国民疎通首席秘書官、パク・スヒョン前国民疎通首席など、大統領府参謀らと共に民主党のユン・ゴニョン議員とキム・ウィギョム議員らが同行した。

 平山村に到着した文前大統領は、歓迎する住民40人余りと握手を交わした後「平山村住民たちに転入を報告する」として「我が家に帰ってきてようやく無事に終わったという安堵感を覚える」と語った。さらに「ここ平山村で過ごす第2の人生、新しい出発をとても楽しみにしている」としたうえで、「妻と一緒に何事にも縛られず、自由に暮らしたい」とも話した。任期を終えてすぐ故郷に帰ってきた最初の大統領だった故盧武鉉元大統領のように、文前大統領も退任直後に「第2の故郷」に帰った。慶南梁山は家と両親の墓があるうえ、2008年の盧元大統領退任以後ずっと滞在し、政界復帰を決心したところであるため、第2の故郷と呼ぶにふさわしい。彼は「今日帰る汽車の中で私が住む家の上に日暈(ひがさ)が現れた写真を見た。私を祝福し、皆さんを歓迎してくれるものだと思う」と述べた。

 同日、平山村周辺には約2500人(警察推算)の支持者が午前から集まり、文前大統領を待っていた。村のあちこちには「文大統領の隣人になってうれしいです」と書かれた横断幕が掲げられていた。文前大統領と夫人の金正淑(キム・ジョンスク)女史は、平山村会館から新築された私邸まで400メートル余りを歩く間、待っていた支持者たちとハイタッチをするなど、挨拶を交わした。青い風船などを持った支持者たちが「敬愛しています」、「元気でいてください」と叫ぶ場面もあった。文前大統領の帰郷を歓迎するため、前日ソウルから来たというPさん(67)は、「(文前大統領は)5年間苦労された」とし、「退任後ここに来たのも、静かに余生を送るという意味だ。ここで心置きなく平穏に暮らしてほしい」と話した。イ・ジョンスクさん(72)は「文前大統領の功績については人によって判断が異なるかもしれないが、これまでの努力を認めてほしい」と語った。

文在寅前大統領と夫人の金正淑女史が今月10日、慶尚南道梁山市下北面平山村の私邸で、手を振りながら支持者たちに挨拶している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 これに先立ち、ソウル駅広場でも1千人以上の支持者たちが「あなたは私の永遠のスーパースター」、「敬愛しています、文在寅」などと書かれたプラカードを持って文前大統領を見送った。文前大統領は彼らに対しても「皆さん、私が退任してまた田舎に帰ることを寂しく思わないでください。私は解放されました」とし、「もうニュースを見なくて済む。私は自由人になった」と語った。

 文前大統領は、梁山梅谷洞(メゴクドン)の自宅が警護上脆弱だという判断から、平山村に新しく家を建てた。新しい私邸の敷地を購入し、家を建築するのに約25億ウォン(約2億5500万円)を使ったという。平山村は通度寺付近の48世帯100人余りが住む小さな村だ。文前大統領の私邸は田畑で囲まれており、周りの家に比べてやや高いところに位置している。大統領警護処は文前大統領の警護のため、防護スタッフ65人をすでに増員した。

梁山/イ・ワン、キム・ヨンドン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1042324.html韓国語原文入力: 2022-05-11 01:18
訳H.J

関連記事