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‘口を噤んだ’放送…独裁時代に後退 憂慮

原文入力:2010-02-10午前09:02:30(1618字)
KBSに続きMBCまで‘政府広報放送’再編
世論多様性 揺らぐ

イ・ムニョン記者

←‘放送掌握’抗議に背を向けた放文振 イ・クンヘン文化放送労組委員長(右側写真,立って話す人)が8日午前ソウル ロッテホテルで開かれた放送文化振興会理事会で政府の放送掌握を批判する発言をする間、キム・ウリョン放文振理事長(左側写真 中央)と与党側理事らが皆 後向きで窓外を眺めている。 オム・ギヨン文化放送社長(右側写真 右端)が沈痛な表情でイ委員長の発言を聞いている。 キム・ポンギュ記者bong9@hani.co.kr

8日オム・ギヨン<文化放送>(MBC)社長の辞退により完成段階に入り込んだ政府の放送掌握が、韓国言論および民主主義全般に深刻な危機を呼ぶだろうという憂慮が大きくなっている。特に政権の文化放送掌握は地上波放送3社の声を単一化させる‘韓国言論機能の深刻な退行’を意味するという指摘が多い。

退行の最初の様相は過去の権威主義政権の時に勢力を伸ばした‘政府広報放送’への自己変身だ。シン・デソプ東義大教授は 「MBCが崩れた以後、放送会社らはパク・ジェワン大統領府国政企画首席が明らかにした‘政府国政哲学を積極的に具現する放送’になるよう強制されるだろう」と見通した。2008年7月パク首席は<新東亜>と行ったインタビューで<韓国放送>(KBS)を "政府傘下機関" と称して、公営放送を眺める政府のわい曲された視角を露わにした経緯がある。同年8月、チョン・ヨンジュ前社長の強制退陣以後、韓国放送で現実化している‘政府の放送観’は、昨年キム・インギュ社長就任後にはより一層露骨化した。最近、韓国放送はドラマと娯楽・音楽プログラムまでが政府の立場を擁護し内外の反発をかった。全国言論労組韓国放送本部長候補に単独出馬したオム・ギョンチョル記者は 「MBC経営陣交替が完了すればKBSのように馴致されるのは当然の手順」として「MBCまでKBSの前轍を踏む場合、世論多様性は根元から揺らぎ韓国ジャーナリズムは死亡宣告を受けることになる」と話した。

批判の声が去勢された‘沈黙のカルテル’は重要懸案の社会的議題および世論形成遮断とも直結する。チョン・ヨンウ世明大教授は 「パク・ウォンスン弁護士の国家情報院 民間人査察疑惑提起はKBSが沈黙する時、MBCで簡略にでも報道したので視聴者たちに伝えることができた」とし「放送会社らが口をつぐめば4大河川,三星Xファイルのような議題と人権イシューは世論化されないまま水面下に沈み、結局は腐って爆発するしかなくなる」と指摘した。‘モノ言わぬ言論’が‘民主主義崩壊’の直接的原因に挙げられる所以だ。

‘報道の保守化’より‘公営放送制度自体の崩壊’がさらに危険な退行だという見解も提起されている。文化放送構成員らは‘経営陣交替後、民営化推進’疑惑を捨てずにいる。カン・ヒョンチョル淑明女子大教授は 「常識を持った政権になれば報道は本来の位置に戻ることができるが、公営放送が一度民営化・私営化されれば二度と回復できない」と説明した。シン・デソプ教授も 「現政権の放送掌握が権威主義政権と違うことは、放送を商業・民間放送に再編しようとしている点」として「総合編成チャンネルが入ってきて公営放送が縮小されれば、民主的公論の場としての放送環境は過去よりはるかに荒廃されるだろう」と話した。

9日ファン・ヒマン新任報道本部長およびユン・ヒョク製作本部長は文化放送労組の出勤阻止闘争により2日連続で本社社屋に入ることができなかった。

イ・ムニョン記者 moon0@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/media/403962.html 訳J.S