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韓国の次期大統領に決まった尹錫悦氏、「統合と協治…不正腐敗は厳しく処罰」

登録:2022-03-11 05:36 修正:2022-03-11 06:51
第20代大統領当選者記者会見 
「野党と協力する」と強調 
引継ぎ委員会秘書室長にチャン・ジェウォン議員
韓国の次期大統領に当選した尹錫悦氏が今月10日午前、ソウル汝矣島の国会で当選のあいさつを兼ねた記者会見を行っている/共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 韓国の次期大統領に決まった尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏が10日、「自由民主主義を脅かすいかなる勢力と理念も遠ざけ、国民の常識に基づいて国政を運営する」とし、「不正腐敗は国民の側に立って厳しく処罰し、法治の原則を確実に守っていく」と述べた。尹氏は「統合と繁栄の時代」を国政運営の目標に掲げた。

 尹氏は同日、国会図書館大講堂で当選のあいさつを兼ねた記者会見を開き、「政治的に有利か不利かではなく、国民の利益と国益が国政の基準になれば、我々の前には進歩と保守の大韓民国も、慶尚道と全羅道の違いもないだろう」とし、「私はひたすら国民だけを見て前に進む」と強調した。

 また「国民統合と地域感情問題を解決していく方向は、すべての地域が公正かつバランスよく発展できるよう、われわれが力を結集しなければならないことだ」とし、「選挙結果については振り返る理由もなく、ひたすら国民とともに前に進むことだけが残った」と述べた。 歴代大統領選挙の中で最も僅差(0.73%)で当選した点を考慮した発言とみられる。

 与小野大(政権与党の国会議席数が野党より少ない状況)の政局を意識し、共に民主党との協治も強調した。「国民のための政治、国民の暮らしを改善し、国益を優先する政治は大統領と与党の努力だけでは不可能だ」とし、「議会と意思疎通を図り、野党と協治を行う」と述べた。

 検察出身の尹氏は特に、不正腐敗の清算と法治を強調した。尹氏は「民主主義を脅かす不正腐敗は、敵味方を問わず、国民の側に立って厳しく処罰し、韓国国民の誰にとっても公正に適用される法治の原則を確実に守っていく」とし、「時代を貫く公正と常識の自由民主主義の精神と法治という憲法の精神を改めて胸に刻んでいる」と述べた。 「大庄洞疑惑に対する特別検察官(特検)の導入」に関する記者団の質問に対し、「そうしたすべての問題はシステムに基づいて行うのが筋ではないか」と答えるなど、即答を避けた。

 また、協治を強調しながらも、共に民主党を狙ったかのように「自由民主主義を脅かす時代遅れの理念を遠ざけ、国民の常識に基づいて国政を運営していく」と言及した。尹氏は選挙運動期間中、共に民主党を「運動圏の過去にすがる」とか「左派運動圏政権」などの発言で非難した。氏は「温かい福祉も成長なしには持続できない。持続可能な発展は成長と福祉が公正に好循環してこそ可能だ」と述べ、成長に重点を置いた。

 北朝鮮にも原則を強調し、強硬な態度を示した。大統領選挙期間中、「先制攻撃論」に言及した尹氏は「北朝鮮の不法かつ不合理な行動に対しては原則に則って断固として対処する一方、南北対話の扉はいつでも開けておく」と述べた。また「参謀の後ろに隠れず、過ちは率直に告白する」とし、文在寅(ムン・ジェイン)政権の国政運営方式を批判した。

 一方、尹氏は側近のチャン・ジェウォン議員を大統領職引継ぎ委員会秘書室長に内定した。引継ぎ委員長としては国民の党の安哲秀(アン・チョルス)代表が有力視されている。国民の力のある関係者は「尹氏が安代表と会って引継ぎ委関連内容を協議した後、委員長と方向などを決めることになるだろう」と述べた。

チャン・ナレ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1034392.html?_fr=mt2韓国語原文入力:2022-03-10 22:44
訳H.J

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