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次期大統領に決まった尹錫悦氏、対日関係は「過去よりも未来…国民の利益模索すべき」

登録:2022-03-11 05:34 修正:2022-03-11 07:00
政府運営の青写真の輪郭示す
韓国の第20代大統領に当選した尹錫悦氏が今月10日未明、ソウル汝矣島の国会図書館に設けられた「国民の力の第20代大統領選挙開票状況室」で感想を述べている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 韓国の次期大統領に決まった尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏は10日、国会図書館の大講堂で、当選のあいさつを兼ねた初の記者会見を行い、迅速な新型コロナ危機克服の意志や強力な国防力構築による北朝鮮の核問題への対応、地域バランス発展など、細部にわたる政権運営のロードマップを示した。経済政策では民間主導と成長を強調し、「政府主導ではなく、民間中心の経済に転換し、雇用を創出すると共に、中産層をさらに厚くする」と強調した。

■新型コロナ危機克服のための組織立ち上げを予告

 尹氏は新型コロナ危機克服を第1号公約とし、最優先課題に掲げた点を強調した。氏は当選のあいさつ後に行った記者団との質疑応答で、「非科学的な防疫指針の撤廃に向けた具体的なロードマップとは何か」という質問に対し、経済や防疫、保健、医療問題を総合的に取り上げる組織を引継ぎ委員会内に設ける方針を明らかにした。氏は「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による自営業者・小商工人たちの経済的損失の補償と緊急救済を含め、防疫と感染者について引き継ぎ委員会を構成する際、検討に入れるつもりだ」と答えた。氏は大統領選の第1号公約として「新型コロナ緊急救助およびポストコロナプラン」を掲げ、政権100日以内に新型コロナ対応体制を改編する構想を示すとともに、50兆ウォン(約4720億円)規模の損失補償財政資金の確保を約束した。

■「韓米同盟再建」、対日関係は「国民の利益になる道を模索すべき」

 文在寅(ムン・ジェイン)政権の朝鮮半島平和プロセスを批判してきた尹氏は同日の記者会見で、「国民の安全と財産、領土と主権を守るため、いかなる挑発も確実に抑止できる強力な国防力を構築する」と強調した。また、「堂々とした外交と堅固な安全保障をもとに、(韓国を)自由と平和、繁栄に貢献する世界の中心国家に生まれ変わらせる」とし、「韓米同盟を再建し、自由民主主義や市場経済、人権の核心的価値を共有し、包括的戦略同盟を強化していく」と明らかにした。氏の発言からして、米国との関係強化を外交の最優先課題とするものと予想される。同日、当選後初の日程として米国のジョー・バイデン米大統領と20分ほど電話会談を行ったのも、このような脈絡だ。 氏は対中外交と対日外交については「相互尊重の韓中関係を発展させ、未来志向的な韓日関係を作る」という原則的な立場を堅持した。

 尹氏は「日本とどのような関係を作りたいか」という朝日新聞記者の質問に対し、「過去よりも未来にどうすれば両国と両国の国民に利益になるのか、それを模索していくことが重要だ」とし、実用的観点に基づく外交問題の解決を強調した。

■国民統合のために「バランス発展に力を結集」…与小野大の局面は「民主主義成熟させる機会」

 尹氏は選挙の結果を通じて確認された地域構図の解消と国民統合に関する質問に対し、「国民統合と地域感情の問題を解決していく案は、すべての地域が公正かつバランスよく発展できるように力を結集すること」だと答えた。また、与小野大(政権与党の国会議席数が野党より少ない状況)の下で、共に民主党との関係をいかに設定していくかを尋ねる質問には「民主国家で与小野大はとても自然なことで、三権分立のもとでは、ある党が大統領行政府を主導する一方、また別の党が議会の主導権を握ることも別に珍しいことではない」とし、「与小野大を通じて民主主義と政治がより成熟していくことができる、そのような機会だと考えている」と答えた。氏は「国民のために、国益を考えることに与野党は関係ない。全員が国と国民のため尽力するために国会にきた方なので、彼らを信じている」と付け加えた。 文在寅政権が進めてきた政策の継続の可否や現政権との関係設定については、「現政権で推進したことで、我々が引き継ぐべき課題はそのように管理し、また新たに変化が必要な部分については果敢な変化と改革を推進する」と語った。

■「ジェンダーや性別による分裂を図ったことない…大庄洞の話は控えたい」

 尹氏は今回の大統領選挙が予想外の接戦だった理由に挙げられた「ジェンダー対立」を助長したことについては「ジェンダーや性別よる分裂を図ったことはない」と一線を引いた。ユン氏はまた、選挙期間中に公言してきた「大庄洞疑惑」の捜査に関する質問には「大庄洞の話は、今日はちょっと控えた方がいいかもしれない」としたうえで、「いつも言っているが、そうしたすべての問題はシステムによって解決すべき問題ではないかと思う」と答えた。

キム・ミナ、キム・ガユン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1034411.html韓国語原文入力:2022-03-11 02:33
訳H.J

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