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韓国でF-35A戦闘機が胴体着陸した原因は重さ10キロの鷲との衝突

登録:2022-03-05 06:02 修正:2022-03-07 15:35
韓国空軍、事故を起こした戦闘機の調査結果を発表 
燃料漏れで火災…「整備間隔を短縮する」 
シム少佐、民家を避けようと非常脱出諦めたのが明らかに 
F-35A、非常着陸は鷲との衝突が原因
F-5E戦闘機は米国の友好国限定で販売された低価の高性能軽戦闘機で、同一系列機種としてKF-5E/Fがある=韓国空軍ホームページより//ハンギョレ新聞社

 今年1月11日、京畿道華城(ファソン)で墜落した韓国空軍のF-5E戦闘機は燃料導管にできた穴から漏れた燃料に火が付いて事故が起きたという調査結果が出た。

 空軍は3日、事故を起こした戦闘機の残骸を調べた結果、右側のエンジンに燃料を供給する燃料導管に髪の毛の太さの穴が2つあり、そこから燃料が漏れていたことが確認されたと発表した。空軍関係者は「燃料が漏れ、戦闘機の離陸から約54秒後にエンジン火災警告灯が点灯した。当時、燃料は水平尾翼を作動させるケーブル付近まで漏れたが、エンジン火災の影響で戦闘機の上昇と下降機動を制御する水平尾翼を作動させるケーブルが損傷したことが調査で分かった」と説明した。

 空軍は事故戦闘機の燃料導管を4年前に交換したと発表した。マニュアル上、燃料導管の整備と交換期間は飛行600時間だが、事故機は508時間だったため、この4年間整備が行われなかったという。戦闘機の離陸前の目視検査では、機体の内側の燃料導管の穴は確認できなかったというのが空軍の説明だ。空軍関係者は「科学的判断は難しいが、腐食などで燃料導管に穴が生じたものと推定している」と述べた。

 空軍はマニュアル上の点検は行ったと説明しているが、事故機が1986年に導入された古い機種であるうえ、燃料導管の異常によるKF‐16戦闘機墜落事故が頻繁に起きていることを踏まえ、積極的に整備する必要があると指摘されている。空軍関係者はこれについて「燃料導管の穴によるF-5E事故は初めてであるため、点検方法を補完し、整備間隔を短縮する予定だ」と述べた。空軍はすべてのF-5戦闘機に対して安全点検と燃料導管の特別点検を行うことにした。

 空軍の今回の事故調査では、墜落当時、民間人の被害を最小限にとどめようとしたパイロットの故シム・ジョンミン少佐の努力も明らかになった。シム少佐は非常脱出のために「エジェクション」を2回叫んだ後、正面に民家地域を発見し、これを回避するため、非常脱出をあきらめたものとみられると、空軍は伝えた。空軍関係者は「シム少佐は航空機の上下起動が正常に行われない中、横転(水平)機動だけが可能な状態の操縦桿を握って最後まで努力し、空軍水原(スウォン)基地から南西約6キロ地点の野山に墜落した」と述べた

 また、空軍は1月4日に瑞山(ソサン)基地に非常着陸したF-35A事故の調査の結果、重さ10キロの鷲との空中衝突が原因だと明らかにした。空軍関係者は「調査の結果、鳥との衝突で損傷した点以外は航空機の欠陥や操縦士のミスは見つからなかった」と説明した。戦闘機だけでなく、民間機も飛行中に鳥と衝突してエンジンが損傷する事故(バードストライク)が頻繁に起きている。

 事故当時、F-35Aは清州(チョンジュ)基地を離陸した後、約330メートルの高度で飛行中に左側の空気吸入口で鷲と衝突し、鷲が吸入口と武装積載室の間にあった機体の隔壁(遮断壁)まで通り抜けて戦闘機内部に吸い込まれたことが分かった。空軍関係者は「重さ20トンを超えるF-35Aが時速900キロメートルの速度で飛行中に重さ10キログラムの鷲と衝突したときの衝撃は約30トンと推定される」と説明した。

 戦闘機の武装積載室は兵器を積む空間だが、内部の隔壁にランディングギア(着陸装置)作動油圧導管や電源供給配線などがある。鷲との衝突で武装積載室内部のランディングギア作動油圧導管や電源供給配線などが壊れ、操縦・航法系統の性能低下やランディングギアの未作動などが同時に起きた。

 着陸に必要なランディングギアが作動しなかったため、パイロットは西海(ソヘ)海岸線に沿って忠清南道瑞山基地に接近し、滑走路に胴体着陸した。胴体着陸は飛行機の胴体を直接滑走路に当てて非常着陸する方式だ。今回の調査は飛行・整備・航空管制分野の国内専門要員12人と、米政府・米空軍・航空機メーカーの関係者14人の計26人で構成された韓米共同調査団が行った。衝突した鳥の類種を確認するため、国立生物資源館に遺伝子検査も依頼したという。

 空軍は、F-35A武装積載室内の衝撃による損傷を最小限に抑え、有事の際、ランディングギアの正常な作動と補助作動システムの独立性を保障する案を航空機メーカーの米ロックヒットマーティンと協議する計画だ。

クォン・ヒョクチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1033423.html韓国語原文入力:2022-03-03 18:45
訳H.J

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