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偏向判定に対し韓国内で中国人への憎悪…「解決の役に立たない」

登録:2022-02-10 02:55 修正:2022-02-10 08:36
「中国人留学生は退学せよ」などの書き込み 
「一部の問題を全体に拡大するのはヘイト」
ファン・デホン選手が2022年北京冬季五輪ショートトラック1000メートル準決勝で中国の選手たちと競っている/聯合ニュース

 2022北京冬季五輪での偏向判定に対する批判に伴い、「反中感情」が沸き立っている。このような反中感情は、五輪精神を損なうとの批判にとどまらず、国内に居住する中国人に対する無分別な憎悪や攻撃につながることを警戒すべきだと指摘する声があがっている。

 9日、国防高校連合などの保守団体は、ソウル中区(チュング)のソウル中央郵便局前で記者会見を開き「八百長で綴られた北京五輪は五輪精神に対する冒とく」とし「北京五輪をボイコットすべき」だと主張した。参加者は「我々は北京五輪を拒否する」「チャイナ・アウト」などのスローガンを叫んだり、北京五輪のポスターをパロディ化したことでオンライン上で話題を集めた「目を見開いて鼻北京(「目を見開いていても鼻を切り取っていく世」ということわざのパロディ)」の絵を掲げたりした。インターネット上のコミュニティやSNSにも、7日にショートトラック男子1000メートルで韓国選手が釈然としない判定で失格したことについて、中国を批判する書き込みが相次いだ。

 偏向判定が物議を醸して反中感情が高まったことで、中国人に対する憎悪表現(ヘイトスピーチ)を含んだ書き込みもあふれた。言及量が多い単語を示すツイッターのリアルタイム・トレンドには「偏向判定」「町の運動会」「Justice For Korea(韓国のための正義)」などだけでなく、中国人を蔑視する表現などもあがっている。

 ヘイトスピーチは、国内に居住する中国人や中国同胞などを対象にしてもいる。大学生が集まるコミュニティ「エブリタイム」では、そこここに「もし中国人留学生がいたら自主退学してください」、「中国人は姿を見せるな。見かけたらぶん殴る」、「〇〇大に在学する中国人に会ったらぶっ飛ばしても合法か」などの露骨な非難を含む書き込みが見られる。「配達アプリで事業者名を見て、朝鮮族がやってる麻辣湯の店はふるいにかけよう」などの中国同胞に対する書き込みもあった。

 一方では、このようなヘイトに反対する声もあがっている。大学生のKさん(22)は「今回の五輪中継を見て腹が立ち、中国を批判する文章に共感した。でも中国人留学生に悪口を言う書き込みは、当事者が見たら傷つくのではないかと心配になった」と述べた。オンラインでも、中国人や中国同胞に対するヘイトスピーチについて「私たちの隣人である移住民、外国人労働者、多文化家庭の子どもなどが差別にさらされるだけだ」、「五輪前からヘイトはあったが、五輪はヘイトスピーチを正当化する大義名分を与えたに過ぎない」「国内居住中国人の安全が心配だ」などの反応が見られた。

 専門家は、偏向判定に対する批判と中国人に対するヘイトは区分すべきだと指摘する。淑明女子大学のホン・ソンス教授(法学)は「一部の問題または構造的な問題を集団全体の問題にする、というのがヘイトの作動の仕方」とし「五輪の判定や外交問題などは、その国に属する人を憎むべき問題ではなく、国内に居住する中国人や中国同胞とも関係のない問題だ。ヘイトの拡散は真の問題の解決にも役立たない」と述べた。慶煕大学のソン・ジェリョン教授(社会学)も「国に対する否定的なイメージを中国人個々人に表出するのはやめなければならない。特に政界においても、行き過ぎた民族主義や中国に対するヘイトを利用するのは望ましくない」と指摘した。

キム・ユンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1030429.html韓国語原文入力:2022-02-09 17:17
訳D.K

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