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監視カメラに5回も映った越北者を見逃し、脱北者と間違えた韓国軍

登録:2022-01-06 02:17 修正:2022-01-06 07:44
「第22師団越北事件」の調査結果発表
民統線近くの監視カメラに映った越北者の姿//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は5日、江原道東部戦線で発生した越北(北朝鮮に渡ること)事件について、「こうした状況が繰り返されることに対し、軍は特別な警戒心と責任感を持たなければならない。第22師団地域で発生した警戒作戦の失敗は、あってはならない重大な問題だ」と述べた。また「現場調査で明らかになった警戒態勢および措置、警戒システム運営の問題点を解決し、軍全般の警戒態勢に対して特別点検を行うことで、再発防止に努めるよう」指示したと、パク・キョンミ大統領府報道官が伝えた。

 これに先立ち、韓国軍当局は同日、越北事件と関連して警戒態勢に不備があったことを認め、謝罪した。チョン・ドンジン合同参謀本部作戦本部長(陸軍中将)は「東部戦線で発生した越北状況について国民の皆様にお詫び申し上げる」としたうえで、「調査結果を基に補完対策を作り、進める予定」だと明らかにした。

 合同参謀本部が明らかにした「第22師団越北」の中間調査結果によると、陸軍第22師団の一般監視所(GOP)の監視カメラ(CCTV)に越北者がGOPの鉄条網を越えた場面が5回も映ったにもかかわらず、監視兵がこれを見逃したことが確認された。特に、越北者が午後6時36分頃に鉄条網を越える際、鉄条網のセンサーに圧力がかかり、警告灯がついて警報音が鳴ったことを受け、小隊長ら兵力6人が出動したが、これといった特異事項は発見できなかったことが確認された。鉄条網周辺の雪に越北者の足跡があり、鉄条網上段の鉄条網に越北者のコートが破れて出てきたと思われる白い羽毛が付いていたが、いずれも発見できなかった。

 また、現場部隊は警報音が発生した時間の監視カメラの映像を再生して確認したが、保存サーバーに入力された時間と実際の撮影時間との差があり、鉄条網を越える場面を確認できなかったことが、調査の結果分かった。サーバーの保存時間が実際の時間と4分ほど差があり、越北者が鉄条網を越えた時間の映像を見逃しても、問題ないと判断したのだ。

 当部隊は午後9時17分になって非武装地帯(DMZ)内の越北者を熱画像監視装置(TOD)で発見したが、GOP大隊長はその人物が北朝鮮から韓国側に渡ろうとしていると判断し、捜索チームを投入して待っていたという。20分後、北朝鮮に向かった越北者を確認し、ようやく越北遮断作戦に乗り出したが、越北者は午後10時49分頃、軍事境界線を越えて北朝鮮に渡った。

クォン・ヒョクチョル、イ・ワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1026175.html韓国語原文入力:2022-01-0523:19
訳H.J

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