日本が最近、中国とロシア軍の艦艇10隻が6日間、日本周辺を共に航海したことについて、「我が国に対する示威活動を意図したもの」だと強く反発した。「台湾海峡」が米中戦略対立の最前線に浮上する中、日米と中ロの軍事的緊張感が互いを刺激する形で高まっている。
岸信夫防衛相は26日の記者会見で「(中ロ軍が)10隻もの艦艇により軍事演習を行いながら、わが国を周回させる形で航行したことは、わが国に対する示威活動を意図したもの」とし、「このような大規模かつ長期間にわたる活動は初めての確認で、極めて異例なこと」だと述べた。さらに「このような行動は、わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増していることを如実に示すもの」としたうえで、「引き続き厳重な警戒監視活動を実施するとともに、わが国の防衛力を大幅に強化するため、あらゆる努力を行っていく」と強調した。米日が各地で共同訓練を増やしているなどの活動が中ロを刺激し、こうした動きの引き金になっているのではないかという質問には「我々が実施している共同訓練は周辺国にも十分を配慮したものだ。必要な共同訓練によってそれぞれの地域の平和と安定にも寄与するもの」だと述べた。
岸防衛相は25日、防衛省でカルロス・デル・トロ米海軍長官と面会し、中ロ軍艦10隻に対する動向について意見交換を行うと共に、懸念を伝えたという。茂木敏充外相も26日の記者会見で、中ロ軍の艦艇問題について「中国とロシア側に対し、それぞれ、外交ルートを通じて重大な関心を持っていることを申し入れた」と述べた。
27日、防衛省の話を総合すると、中ロ軍の艦艇10隻は今月18日から23日までの6日間、本州と北海道の間にある津軽海峡を通過し、鹿児島県大隅海峡を抜け、東シナ海へと進んだ。中ロ軍の艦艇が同時に日本列島の太平洋側地域を半周したわけだ。23日午前には、中国の大型艦艇レンハイ級ミサイル駆逐艦からヘリコプター1機が離陸し、日本の航空自衛隊の戦闘機が緊急発進して対応した。中ロは2019~2020年の2年間、東シナ海などで爆撃機を使った共同飛行を実施したのに続き、今回は軍艦の訓練まで実施するなど、最近緊密な軍事協力を進めていると日本防衛省が説明した。
一方、今月25日には中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長が、中日の知識人たちが参加する第17回「東京-北京フォーラム」に寄せたビデオメッセージで、「歴史認識と台湾などは重要でデリケートな問題」としたうえで、「一線を越えたり、ルールを破ったりしてはならない」と警告した。