本文に移動

「容器には毒物なし、被害者の血液からは検出」…ミネラルウォーター事件の謎=韓国

登録:2021-10-23 09:45 修正:2021-10-23 12:13
国科捜、鑑定結果を警察に通知
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 ソウル瑞草区(ソチョグ)のある会社で、社員2人がペットボトルに入ったミネラルウォーターを飲んだ後に倒れた事件に関連し、国立科学捜査研究院(国科捜)は、彼らが飲んだミネラルウォーターのペットボトルから毒物の成分は検出されなかったという鑑定結果を出した。しかし国科捜の分析によると、倒れた2人のうちの1人の血液からは毒物成分が検出された。容器には毒物成分がなかったが、飲んだ人の血液からは毒物成分が検出されたということだ。警察は、ペットボトルが入れ変わったり、ボトルの中に毒物が残らなかったりする可能性まで考慮して捜査を続ける予定だ。

 ソウル瑞草警察署は22日、国科捜から「ミネラルウォーターのペットボトルから毒物成分は検出されなかった」という鑑定結果を受けたと明らかにした。今月18日、30代の女性社員Cさんと40代の男性社員Bさんが事務所の机の上に置かれていたミネラルウォーターのペットボトルの水を飲み、「水の味がおかしい」と言った後に倒れて病院に運ばれた。Cさんは退院したが、Bさんはまだ入院中だ。その後、警察はBさんとCさんが飲んだと推定されるミネラルウォーターのペットボトルの成分分析を国科捜に依頼し、この日結果が出た。しかし、1人の血液からは毒物が検出された。

 警察は現在、Bさん、Cさんと同じチームで働いていたA氏を、今回の事件と関連があるとみて特殊傷害の疑い(ミネラルウォーターに毒物を入れて同僚社員2人に傷害を負わせた疑い)で立件している。A氏は19日、自宅で遺体となって発見された。警察は他殺の情況がないこと、薬物中毒という国科捜の1次所見を根拠に、A氏が自殺したとみている。警察は「A氏は死亡したが、A氏に関する通信内訳の確認やフォレンジックなどの強制捜査を進める必要性があるため立件した」と説明した。

 警察は、A氏の携帯電話から毒物に関する内容を検索した痕跡が見つかり、家から数種類の毒物とこれが配送されたとみられる宅配の段ボールも見つかったとし、A氏を今回の事件の有力な容疑者とみている。被害者の血液から検出された毒物は、A氏の自宅で発見された毒物と同じ成分だったという。警察は、事件発生から数時間後に通報があったため、水筒が入れ変わった、または水筒の中に毒物が残っていなかった可能性まで念頭に置いて捜査を進めている。

 また警察は、10日に同社で炭酸飲料を飲んだ後に社員が倒れた事件についても、この社員を参考人として事情聴取するなど、2つの事件の関連性についても調査している。炭酸飲料から検出された毒物の成分は、A氏の自宅で発見された毒物と同じだという。

キム・ユンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1016247.html韓国語原文入力:2021-10-22 22:12
訳C.M

関連記事