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「ドゥルーキング・コメント世論操作」事件に連座して懲役2年が確定したキム・ギョンス慶尚南道知事が21日、慶尚南道庁で立場表明中に考え込んでいる/聯合ニュース

　「ドゥルキング・コメント操作」に加担した容疑で有罪が確定した慶尚南道のキム・ギョンス知事は、一審後に拘束された77日間を除く1年9カ月を刑務所で送ることになる。刑期を終えた後は5年にわたり被選挙権が制限される。2028年4月までは政治活動が禁止されるということだ。「政治家キム・ギョンス」の消滅が、すでに軌道に乗っている与党勢力内の大統領選候補競争に及ぼす影響はわずかだが、ろうそく市民革命で誕生した文在寅（ムン・ジェイン）政権の正統性には汚点を残すことになった。

　キム知事は、慶尚南道の烽下村（ボンハマウル）で盧武鉉（ノ・ムヒョン）元大統領が死去する直前までそばに仕えた「最後の秘書官」だ。彼は盧元大統領の異変を当日の朝に文在寅弁護士に電話で伝え、盧元大統領が自宅のパソコンに残した遺書も最初に発見している。キム知事は、盧元大統領の死後、政界に召喚された文大統領を最も近くで補佐し、政権獲得を助けた。政府発足後は文大統領の腹心として、党と大統領府の関係を調整する最重要の実力者の役割を担った。2018年の地方選挙で慶尚南道知事に当選したことで親文在寅派（親文）直属の大統領候補として飛躍したものの、今回の大統領選には飛び込まなかった。「釜山・蔚山・慶尚南道メガシティの実現を通じて、盧武鉉元大統領が始めた国家バランス発展をさらに一段階アップグレードさせること」を理由に掲げたが、ドゥルキング・コメント操作事件も影響を及ぼしたと解釈された。キム知事は、大統領選出馬の代わりに来年の地方選挙での慶尚南道知事再選を狙っていたが、今回の判決で水泡に帰した。加えて次々回の大統領選挙（2027年）にすら出馬できなくなった。

　キム知事個人の政治的な未来とは別に、同氏が文大統領の最側近だったこと、2017年の大統領選の勝利に中心的な役割を果たしたことから、有罪が確定したコメント世論操作事件は、文在寅政権の正統性と道徳性にも影響を及ぼすことになる。当時の大統領選挙に出馬した野党の政治家たちはこの日、一斉に自分たちは被害者だとして文大統領の謝罪を求めた。国民の力のホン・ジュンピョ議員はフェイスブックで「前回の大統領選挙の際、キム・ギョンス知事は文在寅候補の随行秘書だったため、キム・ギョンス知事の上の共犯者も明らかにせねばならない」、「私やアン・チョルス候補に対して、文大統領は謝罪すべきではないか」と述べた。国民の党のアン・チョルス代表も「（文大統領は）大韓民国国民に謝罪せよ」と述べた。ユ・スンミン前議員も「文在寅政権の正統性に深刻な疑問を提起する」として、文大統領に謝罪を求めた。

　しかし共に民主党は、野党による正統性に対する非難を一蹴した。イ・ソヨン報道担当は「当時、文在寅候補は2位のホン・ジュンピョ候補に対して17ポイント以上の差をつけて圧勝している」とし、「選挙結果をよく知っていながら、キム知事の判決結果をもって前回の大統領選挙を不法選挙と規定し、政府の正統性を云々するのは、無理なこじつけ」と反論した。

　与党の大統領選候補者たちは「遺憾」との反応を示している。イ・ジェミョン京畿道知事はフェイスブックに「同じ党の同志として様々な苦悩を共有してきたのに、とても残念だ」と記した。イ・ナギョン元首相（同党前代表）は「最高裁の判決は大変残念だ。キム知事の誠実さを信じる」と述べた。チョン・セギュン前首相は「有罪判決は本当に遺憾」と述べ、キム・ドゥグァン議員は「痛嘆すべきこと」と述べた。民主党は有罪判決直後、「非常に残念だ。最高裁判所の判決を尊重する。慶南道政の空白と支障を最小化するよう最善を尽くす」と短く論評した。内心期待していたどんでん返しはなかったが、最高裁の判決は落ち着いて受け入れるという雰囲気だ。

　キム知事の不在が与党の大統領選挙候補選びに及ぼす影響はそれほど大きくない。すでに民主党の候補たちは、本格的な大統領選レースに入っているからだ。ただ、親文の最重要人物であるキム知事の有罪判決によって、支持者が動揺するか、特定候補に結集するかは注目すべき部分だ。民主党の関係者は「判決そのものが党内選挙の過程に支障をきたすことはない」としつつ「しかし裁判結果に胸を痛め、無念がる支持者の心理の変化は、一定部分影響を及ぼす可能性はある」と述べた。