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ハノイ会談が成功していれば…「北朝鮮の核兵器生産能力を80%減らせた」

登録:2021-07-16 07:18 修正:2021-07-16 07:39
英国とロシアが14日に公開した共同報告書で明らかに 
北朝鮮、13~47個の核弾頭を製造可能な核物質を保有
2019年2月28日、ベトナムのハノイで行われた朝米首脳会談の様子。米国のドナルド・トランプ大統領(右側)と北朝鮮の金正恩国務委員長が、一対一の会談に先立ち、向かい合って座っている=ハノイ/AFP・聯合ニュース

 2019年2月末にベトナムのハノイで行われた第2回朝米首脳会談が成功し、北朝鮮の核兵器開発の象徴である「寧辺(ヨンビョン)核施設」を解体していたら、「北朝鮮の核兵器生産力の80%をなくすことができただろう」とする分析結果が出てきた。

 英国の国際戦略問題研究所(IISS)とロシアのエネルギー・安全保障研究センター(CENESS)は14日、「朝鮮半島における北朝鮮の戦略的能力と安全保障:未来の見通し」(DPRK strategic capabilities and security on the Korean Peninsula: looking ahead)という題の報告書で、核兵器の製造に必要な北朝鮮のプルトニウムと高濃縮ウラン(HEU)の生産能力を評価した後、「2019年2月にハノイで議論されたように、寧辺のすべての核施設を解体していた場合、核兵器の製造に必要な平壌(ピョンヤン)の核分裂物質の生産能力を大幅に減らすことができた(significantly reduce)と評価できる。(寧辺以外の)もう一つの濃縮施設が一つだけ稼働していたとしたら、寧辺の施設を廃棄した場合、北朝鮮の核兵器生産能力を最大80%減らせた」と結論付けた。国際戦略問題研究所のマーク・フィッツパトリック研究員は、報告書の発刊を記念して開かれたオンライン・シンポジウムで、寧辺の施設を廃棄すれば「北朝鮮がプルトニウムを生産できなくなるのはもちろん、水素爆弾の原料のうちのひとつのトリチウム(三重水素)も作れなくなる」と指摘した。

 これに先立ち、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、2019年2月にハノイで当時の米国のドナルド・トランプ大統領と会談し、寧辺の核施設を廃棄する対価として、2016年から国連安全保障理事会の決議に出された多くの制裁のうち、民間経済に関わる5種類の制裁を解除するよう要求した。しかし米国は、北朝鮮が寧辺に加えもう一つの核施設を同時に廃棄しなければならないと主張し、これを受け入れなかった。すると、北朝鮮は「このような機会を再び設けるのは難しいだろう」と強い失望感を表し、それから2年半が経過する間一度も米国と意味のある核交渉には乗りださずにいる。ロシアのエネルギー・安全保障研究センターのアントン・クロプコフ所長は「北朝鮮が現在守っている核実験と大陸間弾道ミサイルの試験発射の猶予措置は、核弾頭とミサイルの性能開発を制限している」とし、米国がもっと積極的に北朝鮮との核兵器外交に乗りださなければならないと注文した。

 報告書は具体的に、北朝鮮が2020年9月現在、最小13個から最大47個の核弾頭を生産できる核物質を保有しており、毎年5個程度の核兵器を生産できる能力(最大6キログラムのプルトニウムと最大100キログラムの高濃縮ウラン)を備えていると推定した。報告書が推定した物質別の保有量は、プルトニウムが18~30キログラム(プルトニウム4キログラムで核兵器1個を製造できるとみなす場合、4~7個の核兵器を製造可能な量)、高濃縮ウラン180~810キログラム(高濃縮ウラン20キログラムで核兵器1個を製造できるとみなす場合、9~40個の核兵器を製造可能な量)だった。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1003683.html韓国語原文入力:2021-07-15 16:03
訳M.S

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