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文大統領、G7サミットで「人種差別などへの強力な対処・自由貿易への協力」強調

登録:2021-06-14 09:15 修正:2021-06-14 09:36
G7拡大会議「開かれた社会」に出席 
「開かれた社会に対する脅威への積極的な対応」を強調 
G7、中ロ言及せず「価値同盟とともにする」 
 
対面多国間会議「ワクチン外交の場」に 
アストラゼネカ社CEOとの面会で「韓国の生産能力を活用してほしい」 
菅首相と短い遭遇「お会いできてうれしい」
英国コーンウォールで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席した文在寅大統領(前列右から2番目)や米国のジョー・バイデン大統領など出席者らが記念撮影を行っている=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 英国コーンウォールで開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、人種差別・過激主義に強く対処し、自由貿易と開放経済の拡大を図るために国際的な協力が必要だと強調した。

 文大統領は13日(以下現地時間)、首脳会議の2回目の拡大会議「開かれた社会と経済」に出席し、「開かれた社会」声明を共に採択した。首脳たちは人権、民主主義、法治主義など、参加国が共有している開かれた社会の価値を守り、増進することを決議し、これらの価値を拡散して開かれた社会の恩恵を懐広く享受できるよう協力していこうという声明を発表した。首脳たちは「我々の世界は、持続する不平等と人種差別を含む差別から脅かされている」とし、「こうした脅威に立ち向かい、未来のために普遍的な人権とみんなのための機会を増進する開放的で懐広いルールに基づいた国際秩序を作るために協力していく」と約束した。

 この日の拡大会議で導き出された「開かれた社会」声明文は、米国と激しく対立している中国やロシアなどについては直接言及しなかった。ただし「我々を一つに結ぶ価値を再確認」するなどの表現で、ジョー・バイデン米大統領が掲げた「価値同盟」に賛同し、「権威主義の跋扈(ばっこ)」や「経済的脅威」、「人権侵害」などとの対決する意向を明らかにした。招待国も参加する拡大会議で出た声明は、G7が首脳会議の結果をまとめた共同声明とは異なる。

 文大統領は会議で韓国の民主化経験などを紹介し、人種差別など開かれた社会内部の脅威により強く対処する必要性を力説し、開かれた社会の経済的基盤である自由貿易と開放経済の維持・拡大のために協力することを呼び掛けたと大統領府が伝えた。

主要7カ国首脳会議(G7サミット)への参加のために英国を訪問した文在寅大統領が12日午後(現地時間)、英国のコーンウォールのカービスベイで、新型コロナウイルスワクチンの供給拡大および保健能力の強化案を扱う拡大会議の第1セッションで、各国首脳らと対話している。左側から文大統領、英国のボリス・ジョンソン首相、米国のジョー・バイデン大統領、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、日本の菅義偉首相=コーンウォール/聯合ニュース

 さらにサミットの最後の公式日程である拡大会議の第3セッション「気候変動および環境」で先導発言者を務めた文大統領は、先月開かれた「P4Gソウルサミット」の結果を紹介し、生物多様性の損失防止および回復への参加を呼び掛けた。

 文大統領は、新型コロナウイルスの世界的な大流行以降初めて開かれた今回の対面多国間会議で「ワクチン外交」を繰り広げた。前日、新型コロナワクチン生産企業のアストラゼネカ社のパスカル・ソリオ最高経営者(CEO)と面会し、「より円滑な世界ワクチン供給のために韓国の生産能力を活用してほしい」と要請した。ドイツのアンゲラ・メルケル首相との首脳会談では、mRNA技術を保有しているワクチン会社との技術協力を打診した。文大統領が「ワクチン開発先導国のドイツとワクチン生産分野で強みを持つ韓国が協力案を模索する必要がある」と言うと、メルケル首相は「ドイツのmRNA技術保有ワクチン会社とも協議する」と約束したと、大統領府は伝えた。ファイザー製新型コロナワクチンは米国のファイザー社とドイツのビオンテックが共同開発した。

 文大統領は13日、英国のボリス・ジョンソン首相とも会談し、「英国のアストラゼネカ製ワクチンは韓国で主力ワクチンとして使われている」と言及したのに対し、ジョンソン首相は「韓国と英国が様々なテーマについて深い協力を模索できる協議体を作ろう」と提案したと、大統領府のパク・キョンミ報道官が伝えた。また、ジョンソン首相は北朝鮮との対話を進めているという文大統領の説明に「北朝鮮には英国の大使館がある」としたうえで、「朝鮮半島平和プロセスを支持する」と述べた。文大統領はさらに、フランスのエマニュエル・マクロン大統領とは10分間の略式会談を行った。マクロン大統領は「韓国と主要技術分野における協力強化を望んでいる。半導体や電気自動車など先端主要技術分野と保健・エネルギーなど多様な分野における仏韓協力体の強化を期待する」と述べた。

 一方、関心を集めた韓日首脳の会合について、大統領府のパク・キョンミ報道官は書面ブリーフィングで、「文大統領は拡大首脳会議第1セッションが開催される前、カービスベイ・ホテルで日本の菅義偉首相とも会い、互いにお会いできてうれしいという挨拶を交わした」と明らかにした。両首脳の接触は、同日午後3時30分に招待国公式歓迎式典が行われ、午後4時にセッション会議が始まる間に行われたものとみられる。

イ・ワン記者、コーンウォール/共同取材団 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2021-06-1402:42

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