文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、北朝鮮軍の銃撃で死亡した海洋水産部公務員の息子のL君に手紙の返事を送った。
ハンギョレが13日に入手した手紙全文によると、文大統領は「(L君の手紙を)痛い気持ちで受け取った」とし「お父さんに対する尊敬の気持ちと無念さがあまりにも切実に沁み込んでいて、読みながら胸が痛んだ」と慰めを伝えた。
文大統領は返事を通じてL君に「海洋警察と軍が様々な状況を調査し、総力でお父さんを探している」とし「すべての過程を透明に進め、真実を明らかにできるよう、私が直接確認することを約束する。海洋警察の調査と捜索結果を待ってほしい」と述べた。
続いて「息子さんと幼い弟が苦痛を受けずに生きられるよう、いつも共にいる気持ちだ。強い心でお母さんと弟を支えて、困難を乗り越えてほしい」と頼みの言葉をかけた。
文大統領の手紙はA4用紙1枚分で、この日書留でL君に渡されたという。L君は今月5日、文大統領に手紙を書いて送った。手紙でL君は、亡くなった父親に対する自負心を示し、政府の発表は信じられないという立場を明らかにした。
文大統領の返事を受け、遺族たちは残念だという反応を示した。死亡した公務員の兄、イ・レジンさん(55)はメディアのインタビューで「手紙も満足できる内容ではなく、署名だけでも自筆にしてほしいと思っていたが、機械による署名が記されていた」と語った。
イ・レジンさんは14日、仁川にある海洋警察庁前で記者会見を開き文大統領の返事を公開する予定であり、海洋警察庁に遺族抗議書簡と情報公開請求書を提出すると明らかにした。
以下、文大統領の手紙全文。
息子さんへ
私に送ってくれた手紙を痛い気持ちで受け取りました。お父さんに対する尊敬の心と無念さがあまりにも切実に沁み込んでいて、読みながら胸が痛みました。深い慰めの気持ちを伝えます。
お父さんを失った息子の気持ちを深く理解します。私だけでなく、大韓民国の国民も、お父さんのことで深く傷つき、心配しています。真実が明らかになり、責任を問うべきことは問い、過ちがあれば当然名誉を回復しなければならないという一心であります。
今、海洋警察と軍が様々な状況を調べながら、総力をあげてお父さんを探しています。すべての過程を透明に進め、真実を明らかにすることができるよう、私が直接確認することを約束いたします。
息子さんも、海洋警察の調査と捜索結果を待って下さるようお願いします。
息子さんと幼い弟が苦痛を受けず生きていけるよう、いつも共にいるつもりです。強い心でお母さんと弟を支えて、困難を乗り越えてほしいと願います。
2020年10月8日
大統領 文在寅