過去20年間に、世界で7348件の災害が発生し、123万人が死亡、2.97兆ドルの財産被害が発生したことが分かった。これは、その前の20年間より1.7倍の増加で、主な原因は気候変動と診断された。
国連防災機関(UNDRR)は、13日に発表した「2000~2019年世界災害報告書」で「過去20年間に全世界で7348件の自然災害が発生し、40億人が被害を受けた」とし「災害で命を失った人だけでも、1年で6万人に達する」と述べた。その前の20年間(1980~1999年)に発生した災害は4212件で、最近の20年は災害数が1.7倍に増えたことになる。
報告書は「2019年の世界の平均気温は、産業化以前に比べ1.1度上昇し、猛暑、干ばつ、洪水、酷寒、台風、山火事などの極限の気象現象がより頻繁に起きている」と述べている。報告書を発表した水鳥真美UNDRR代表兼国連事務総長特別代表(防災担当)は「災害管理機関の努力により、多くの人命を救ってきたにもかかわらず、先進国が温室効果ガス排出削減に失敗したことで災害が増加している」と述べた。
この20年間で、災害はその前の20年間の2倍近くに増えたにも関わらず、人命被害はほぼ同じだった。1980~1999年の災害による死者は119万人で、最近20年間の123万人とわずか4万人しか差がない。しかし、財産被害はこの20年間で2.97兆ドル(3415兆ウォン)で、その前の20年の1.63兆ドル(1874兆ウォン)の1.8倍にのぼる。また、人命被害は低所得国に集中しており、先進国の死者数の4倍に達する。国別では中国が577件で最も多く、次いで米国(467件)、インド(321件)、フィリピン(304件)、インドネシア(278件)などで、上位10カ国のうちアジアが8カ国を占めた。
専門家は、災害発生が急増したのは気候変動に関わる危機の増加が主な原因だと診断している。すべての災害のうち、気候変動に関連する件数は6671件。その前の20年の3656件に比べて1.8倍の増加だ。洪水(3254件、44%)が最大の割合を占め、その前の20年(1389件)の2.3倍。台風も1457件から2034件へと1.4倍になっている。気候変動の影響を受けていない災害は地震(8%)など10%に過ぎなかった。影響を受ける人口が最も多い災害は洪水(41%)、次いで干ばつ(35%)、台風(18%)の順だった。
報告書の作成を担当したベルギー・ルーヴェン大学のデバラティ・グハーサピル教授は「この20年の災害統計は、気候変動への適応と温室効果ガス削減の失敗がもたらした人類の苦痛と経済的損失を如実に示している」とし「極限の気象現象が次の20年にも続くとしたら、人類の未来は非常に暗いだろう」と述べた。