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子どもの性行動を見たときの対応は…?保育士の8割が「どうすればよいかわからない」

登録:2020-09-28 02:42 修正:2020-09-28 12:03
現役保育士など199人にアンケート 
性行動被害児童の親に 
「子育ては難しい」不適切な対応も 
政府の対策発表から1カ月 
「性教育マニュアルを急ぐべき」との指摘も
昨年アップされた京畿道城南市の保育園に関する請願=大統領府国民請願掲示板より//ハンギョレ新聞社

 保育士が幼児の性行動に対する適切な対応に困難を感じていることが分かった。共に民主党のカン・ソヌ議員が27日に保健福祉部から提出を受けた資料集「保育園の児童の性に関する逸脱行為対応策」によると、アンケート調査に応じた保育士97人のうち77人(79.4%)、保育園の園長102人のうち44人(43.1%)が「子ども同士の性行動問題で困った経験がある」と答えた。福祉部は昨年、京畿道城南市(ソンナムシ)の保育園で、他の幼児から性的被害を受けた児童の保護者が大統領府請願掲示板で「被害の回復と仲裁制度を設けてほしい」と要求したことを受け、委託研究を実施した。

 保育士97人と園長102人の計199人を対象として行われたアンケート調査の結果によると、保育園関係者は、早ければ満2~3歳から幼児の性行動を観察できるようになると答えた。よく見られる性行動の類型としては、「トイレの中をのぞいて興味を持つ」(69.8%)、「机の角に性器を擦り付けるなどの自慰行為」(68.2%)、「遊びのようにお互いに体を見せ合う」(41.9%)などを挙げた。割合は高くないものの、友達の性器を許可なく触ったり(7.5%)、性的な遊びをしようと強要する(5.4%)など、他人に対する強制性が伴う事例もあった。

 保育の現場において保育士は、このように子どもたちの広範な性行動を目にするが、参考にできる性教育マニュアルは不足していると口をそろえる。アンケート調査に応じた保育園の園長の48%は、「機関内に関連資料が用意されていない」と答えている。幼児の性行動問題を指導するための資料が十分かどうかを問う満足度調査の結果は、5点満点で2.18点だった。

 このように貧弱な体系において、幼児の性教育は保育士個人の力量に依存しているのが実情だ。保育士の40.8%は、性行動問題を扱う際の最も難しい要因として「相互作用および指導方法」を挙げた。子どもたちが性に対して否定的な考えを持たないようにしながら、その性行為が誤っている理由を説明する方法が分からないというのだ。一部の保育士は「城南の保育園のような事件に遭遇したら、何をすべきか全く分からないし、聞いたこともない」と吐露した。研究陣が保護者や園長に深層面接を行った内容によると、かえって「においがしそうだ」として自慰行為をした児童がそばに来るのを嫌ったり、保育士が被害を受けた児童の親の前で「『行為を行った児童』はもともとはしっかりした子だ」「最近は男の子を育てるのが難しい」などと述べ、対応が不適切だった例もあった。

 先月26日、政府は城南の保育園事件の後続措置として、園内の保育士や幼稚園教師を「性教育担当教師」に指定するなどの対策を発表した。しかし、今回の研究によると、保育現場で働く保育士や園長は、業務過重や専門性などを懸念して「外部の専門家による性教育」を求めている。カン・ソヌ議員は「保育現場の混乱を最小化しつつ、担当保育士や教師の業務過重につながらないよう、政府はより積極的に現場とコミュニケーションを取り、対策を点検していくべき」と強調した。

パク・ユンギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/963842.html韓国語原文入力:2020-09-27 21:47
訳D.K

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