「首都圏の社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)」がレベル2に緩和されたことを受け、教育当局は首都圏の小中高校の登校授業を今月21日から再開することに決めた。今回の措置は10月11日まで維持される予定だ。
ユ・ウンヘ社会副首相兼教育部長官は15日に行ったブリーフィングで、「首都圏でのソーシャル・ディスタンシングの調整により、ソウル、京畿、仁川地域のすべての学校は21日から登校授業を再開する」と述べた。首都圏の幼稚園と小中高校(高校3年を除く)および特殊学校は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再拡散により、先月26日から今月20日までレベル3のソーシャル・ディスタンシングで適用される「全面的な遠隔授業」を行ってきた。ユ副首相は「遠隔授業の長期化に伴い、さまざまな懸念があるため、秋夕(チュソク、旧暦8月15日の節日)の連休を除くと、登校期間が平日基準1週間から10日に過ぎないが、登校再開が必要だと判断した」と説明した。
登校が再開されれば、レベル2のソーシャル・ディスタンシングの際に適用される「強化された学校密集度最小化措置」によって、幼稚園と小中学校は全校生徒の3分の1以下、高校は3分の2以下に登校人数が制限される。首都圏におけるレベル2のソーシャル・ディスタンシングは27日まで予定されている。しかし、教育部は感染拡大防止に向けた予防的措置として、秋夕連休特別防疫期間(9月28日-10月11日)まで関連措置を続けることにした。すでに登校が始まった非首都圏の場合も、来月11日まで首都圏と同じ措置を維持することにした。ただし、地域環境によって教育部との協議を経て、学校の密集度を一部調整できるようにした。それでも全面登校は許されず、登校人数を3分の1以下から3分の2以下までのみ緩和できる。
10月12日以降の状況はまだ流動的だ。ユ副首相は「秋夕の連休期間中に特別防疫指針がきちんと順守されれば、11日以降登校授業の日数をさらに増やしていけるのではないかと期待している」とし、「今後、感染症の推移と地域別の状況を総合的に考慮して防疫当局と教育庁との協議を経て決定する予定」だと明らかにした。
教育部は同日、遠隔授業運営方式の改善案も発表した。まず、遠隔授業期間には全クラスでリアルタイムで朝礼・終礼を行い、やむを得ず参加できなかった生徒には教師が電話またはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを通じて内容を伝える。また、週1回以上リアルタイムで双方向対話型授業を行うなど、遠隔授業で教師と生徒が双方向でコミュニケーションする割合も徐々に増やしていくことにした。ここには、コンテンツ活用授業でリアルタイムのチャット画面で学生にフィードバックすることも含まれる。1学期のリアルタイム双方向型授業の割合は、コンテンツ授業や課題授業と並行した場合を含め、全体の14.8%程度と把握されている。教育部は、遠隔授業の際、小学校は40分、中学校は45分、高校は50分の授業時間が守られるよう呼びかけた。このほか、17の市・道教育庁と協力し、各教育庁が基礎学力診断および学習指導を専門に担当する「基礎学力集中支援担当教員」を確保するよう進める計画だ。
しかし、各教育団体からは、遠隔授業の長期化による教育格差問題について、教育当局が本質的な対策を講じていないという懸念の声もあがっている。全国教職員労働組合(全教組)は同日、論評を出し、「登校授業が正常に行われず、階層による教育不平等、社会性教育の欠乏、各種の情緒的問題などが非常に深刻だ。COVID-19の感染拡大が続いた7カ月間、教育当局は学級当たりの児童数削減など根本的な解決策より、休校と登校再開を繰り返しているだけだ」と批判した。