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新型コロナウイルスの抗体保有者、韓国国民1440人中1人だけ

登録:2020-09-15 06:22 修正:2020-09-15 07:54
防疫当局、第2回抗体調査を行なった結果 
大邱を含む13の市・道で収集した血清中 
中和抗体保有率は0.07%にすぎず
今月13日、ソウル汝矣島漢江公園の統制されていない区域で市民たちがくつろいでいる。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、ソウル市漢江事業本部は8日から汝矣島やトゥクソム、盤浦など主な漢江公園内の一部密集地域で市民の出入りを統制している/聯合ニュース

 防疫当局が最近、大邱(テグ)を含む全国13の市・道で収集した血清1440件を調査したところ、1件から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を無力化する「中和抗体」が確認された。抗体保有率は0.07%にすぎないということだ。国民の60%に抗体がある時に可能な集団免疫は、韓国の防疫戦略には合わないということが今回の調査で再確認されたといえる。

 中央防疫対策本部(防対本)は14日、今年6月10日から8月13日までに収集した国民健康栄養調査の残余血清1440件のうち、中和抗体が確認された検体は1件だったと発表した。調査対象の血清は大邱を含む全国13の市・道から収集された。大邱地域の血清は145件で全体の10.1%だった。

 今回の調査は、今年7月9日に防対本が発表した第1回国民健康栄養調査の残余血清第1回目の後に、追加で施行されたものだ。1回目の場合、4月21日~6月16日に収集した血清1555件のうち1件も中和抗体が確認されなかった。当時は収集検体に大邱地域の血清がなく、大邱地域が含まれた場合は保有率が高くなると予想されたが、実際は大きな差がなかった。5月25日~28日にソウル西南圏の医療機関の来院患者から収集された血清1500件に対して、防疫当局が行った抗体の調査でも、1件の検体のみ中和抗体が確認された。

 韓国の抗体保有率が低いのは、COVID-19の感染者が発生した初期から社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)などを通じて、ウイルスの拡散をかなり抑えたためと見られる。世界各地の抗体保有率調査によると、中国の武漢が3.2%、日本の東京が0.1%、米国のニューヨーク州が14.9%、英国のロンドンが17%、スペイン全地域が5%、スウェーデンのストックホルムが7.3%だった。翰林大学医学部のイ・ジェガプ教授(感染内科)は「抗体保有率が非常に低く、集団免疫は採用できない防疫戦略という点が再び確認された」とし、「今後もワクチンが出るまでは今のようにソーシャル・ディスタンシングなどで状況をよく統制していかなければならない」と説明した。

 防疫当局は今後も毎年約1万人を対象に実施する国民健康栄養調査の残りの検体を活用し、抗体保有率を引き続き調査する予定だ。集団発生地域である大邱・慶山(キョンサン)地域の一般市民や医療スタッフなど3300人を対象にした調査計画も立てている。全国単位の地域別抗体保有率を確認するため、軍入隊者1万人と地域を代表する標本集団1万人の抗体調査も実施する予定だ。

チェ・ハヤン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/962049.html韓国語原文入力:2020-09-14 14:39
訳H.J

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