第1段階「小規模流行」
新規感染者数50人未満の現在
日常的な社会・経済活動が可能
第2段階「地域社会での拡散」
新規感染者平均50~100人の場合に転換
居酒屋・大型教習所など運営中断
3段階「大規模流行」
新規感染者100~200人、または倍増した場合
遠隔授業に切り替え…10人以上の会合は禁止
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を防ぐための「社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)」のレベルが、今後は1~3段階に分けて適用される。これまで「生活の中の距離措置」「強化または緩和された社会的距離措置」などの名称を使ってきたため、国民に混乱をもたらしたという指摘を受け、防疫段階をより明確に区分したのだ。概ね第1段階は「小規模流行」、第2段階は「地域社会での拡散(市中感染)」、第3段階は「大規模流行」に分けられる。各段階への切り替えを決定する際には、2週間にわたり、地域社会で発生する1日の新規感染者数の平均▽集団感染の規模▽感染経路不明事例の割合▽集中治療室の収容力などを総合的に考慮して判断する。
中央災害安全対策本部の28日の発表によると、現在は第1段階に当たるという。この2週間(6月14~27日)、感染経路不明の患者の割合が10%で、第1段階基準(5%)を超えており、防疫網内の管理比率も80%未満だが、1日の地域社会の新規感染者数の平均が28.9人で、第1段階の基準(50人未満)に当たるためだ。第1段階では、日常的な社会・経済活動が可能だ。ただし、飲み屋や大型塾などの高危険施設11カ所では、マスクの着用や顧客及び関係者名簿の作成などを義務付けられる。これまで無観客で運営されていたスポーツイベントにも、部分的に観客を入場させることができる。これに関し、文化体育観光部は同日、「野球やサッカーなどプロスポーツにおいて、観客の入場を部分的に許可する」とし、「観客入場のため、防疫当局との協議を経て、観客の規模や試合日時など詳細計画を今週中に決める計画だ」と発表した。
現在の状況で地域社会での1日の新規感染者数が平均50~100人になれば、第2段階に切り替わる可能性もある。第2段階に切り替われば、登校とオンライン授業を並行していた学校と幼稚園は、登校(登園)人数を減らさなければならない。また、室内で50人以上、室外で100人以上が集まる行事は中止するよう、政府が行政命令を発動できるようになる。このため、公務員採用試験や資格証試験、地域の祭りなど公共・民間行事は不要不急の場合を除き、政府が延期や取り消しを勧告できる。このような基準は、結婚式や葬式などにも同様に適用される。第1段階で観客入場が許可されたスポーツイベントも再び「無観客試合」に転換される。居酒屋やカラオケ、大型塾など高危険施設11カ所は、運営が中止される。宗教施設や映画館、結婚式場、銭湯などの中危険施設は防疫指針の順守が義務付けられる。
第3段階への転換は、1日の新規感染者数が100~200人に達するか、1週間に2回以上新規感染者数が前日の倍以上発生するなど、大規模な流行が起きた場合に行われる。第3段階では学校と幼稚園は全授業をオンライン授業に切り替えるか、休校、休園することになる。家族の葬式への参加や必要不可欠な公務、企業活動を除き、10人以上が集まる会合は禁止される。また、高危険施設だけでなく、中危険施設11カ所も運営が中止される。飲食店やショッピングモールなど、残りの全ての大衆利用施設も夜9時以降は営業を中止しなければならない。ただし、病院や薬局、生活必需品店、ガソリンスタンド、葬儀施設、必須産業施設、居住施設などは例外として運営が認められる。
最近集団感染が相次いだ宗教施設は中危険施設に分類されており、第3段階で運営中止の対象となる。この時から公共機関は必須人員を除き、全員が在宅勤務に入る。政府は第2段階から第3段階に移行する場合は、各種判断指標だけでなく、専門家と国民の意見などを総合的に考慮して決定する方針を示した。