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[ルポ]揺ぎなく続いた水曜集会…市民「応援します」

登録:2020-05-14 09:01 修正:2020-05-14 14:42
中止せず開催された集会現場 
支持市民・取材陣が集まって熱気帯びる 
周辺では右派団体の対抗集会も 
YouTubeで生中継、約1500人がコメントで応援 
 
「5年間、ここで平和・人権を学んだ」 
参加市民、口をそろえて「初心に戻ろう」 
正義連理事長「会計検証受ける」
平和の少女像=チョン・グァンジュン記者//ハンギョレ新聞社

 「第1439回、主催:正義記憶連帯」。強風に煽られ、平和の少女像の上に置かれていた黄色いプラカードが落ちた。日本軍「慰安婦」問題解決に向けた水曜集会が開かれた13日昼12時、正義記憶連帯(正義連)が会計報告などで物議を醸しており、集会の雰囲気は一段と重かった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、水曜集会はオンライン中継で行われてきたが、この日のソウル鍾路区中学洞(チュンハクドン)の旧駐韓日本大使館前は、正義連を支持するために集まった市民や取材陣、抗議する右派団体のメンバーら約100人が集まり、ごった返した。

 この日発言台に立った市民は、口をそろえて正義連への支持を表明すると共に、「初心に戻ろう」と呼びかけた。全国平和ナビネットワーク代表の大学生イ・テヒさんは「私は5年間この場所でキム・ボクトンさんやキル・ウォノクさん、イ・ヨンスさんの声を通じて平和と人権とは何かを学んだ。この場にいる多くの市民と主催する様々な団体を通じて、連帯とは何かを学んできた」と言い、「(最近の)悪意的な攻撃とヘイトにもかかわらず、慰安婦被害問題の解決を強く望んで正義連の運動とハルモニ(おばあさん)たちの声を支持し、応援する人が多いことを知らしめたい」と語った。ボランティア活動を行っているイ・パンスさんも「水曜集会は被害者と正義連だけの行事ではない。世界のすべての平和市民が連帯する場だ」としたうえで、「水曜集会を主催する被害者と正義連の小さな不和が、28年間共に作り上げてきた韓国の平和共同体を大きく傷つけた。だが、誰も責めることなく、どうか初心に戻ってほしい」と述べ、拍手を浴びた。

正義記憶連帯の主催で今月13日午後、ソウル鍾路区の旧日本大使館前で開かれた第1439回定期水曜集会が開かれている=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 正義連側は、一部マスコミを中心に持ち上がっている後援金の用途を巡る疑惑を強く否定した。イ・ナヨン正義連理事長は経過報告で、「個人的な資金横領や不法流用は絶対にない。毎年、弁護士と公認会計士から会計監査を受けており、問題ないと言われてきた。国税庁のシステム公示入力過程で若干のミスがあったものの、国税庁の再公示命令に従って修正する」とし、「悪意に基づいた歪曲報道に立ち向かうため、複数の会計士から検証も受ける。日本軍『慰安婦』問題の幕引きを試みる悪意に満ちた動きをやめてほしい」と訴えた。女性人権運動団体からも、「正義連に対する誹謗中傷をやめよ」という声が上がった。キム・ヨンスン韓国女性団体連合常任代表は「被害者への支援は本来政府がやるべきことだ。正義記憶連帯は、被害者を支援する活動とともに、政府の支援から疎外された被害者たちを支援するために募金活動を行い、被害者支援活動を続けてきた。政府の役割を民間が代わりに行ってきたのだ」とし、「国内初のMeToo運動である日本軍性奴隷制告発活動を分裂させ、その価値を損なう動きに対して、強い懸念を表する」と述べた。チョン・チュンスク共に民主党議員も同日「韓国社会に歴史歪曲を正そうとする努力をけなそうとする勢力がある」として、連帯を呼び掛けた。

 YouTubeの生中継も注目を集めた。約1500人あまりがリアルタイムで視聴し、コメントで正義連に指示を送った。「ハルモニたちと共に過ごした30年の歳月は、数行の記事では評価されません。愛を送ります」(ナビ)、「真実は必ず勝つ」(アルバム)、「これまでCOVID-19事態で関心から遠ざかっていたが、この機会に再び関心を持って後援します」(Love Love)、「応援します。今回をきっかけに正義連について知りました!後援が遅くなって申し訳ないです」(kh kim)「岩のごとく守り抜こう、水曜集会」(Kwangil Yoo)、「マスコミの行動を見て呆れて後援を始めます」(dong keun song)

 同日、水曜集会の現場周辺では右派団体も対抗集会を開いた。右派団体「ターンライト」は「罪を犯したら罰を受けろ。ユン・ミヒャン当選者は辞退せよ」などのスローガンを叫んだ。母親部隊のチュ・オクスン代表は「会計が不透明な公益団体を解体せよ」というプラカードを持って沈黙デモを繰り広げた。彼らは昼1時頃、水曜集会が終わるまで抗議を続けた。集会が終わり、人影が消えた旧日本大使館前は、平和の少女像と慰安婦被害者35人の名前が刻まれた銅版だけが残り、その場を守っていた。

チョン・グァンジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/944770.html韓国語原文入力:2020-05-13 21:32
訳H.J

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