外信「中国が医療チーム派遣、新型コロナ協力の可能性も」
38ノース「専用列車が元山近隣駅に停車中」報道
韓国政府「特異動向は見られない」として、金正恩健在に重き
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の潜行が11日以来半月間続いており、金委員長の健康異常説をめぐる論議が収まらない。外信は「中国政府による医療スタッフ対北朝鮮緊急派遣説」まで報道し関心を注いでいるが、北朝鮮メディアは沈黙で一貫している。韓国政府は依然として「北朝鮮には特異動向が見られない」として、金委員長の健在側に重きを置いている。
北朝鮮メディアは、26日午後まで人民革命軍創建88周年記念日(4・25)関連報道を伝えながらも、健康異常説が提起された金委員長の行事の出欠についてはまったく言及していない。人民革命軍創建記念日は、金日成(キム・イルソン)主席が1932年4月25日に満州抗日遊撃隊を創設したことを記念する日だ。北朝鮮は、1978年からこの日を人民軍創建日である“建軍節”として記念してきたが、金正恩執権以後の2018年から建軍節は実際に人民軍が創設された1948年2月8日に変更された。
人民革命軍創建日の意味が縮小されただけに、金委員長の行事不参加に特別な意味があるわけではないというのが専門家たちの分析だ。しかし、金委員長の健康異常説とあいまって、金委員長が今回の人民革命軍創建記念日を契機に公開の席上に姿を見せるかが関心を集めていた。
金委員長がこのように長期間姿を現わさなかったのは初めてではない。2019年5月には22日間、2014年9～10月には41日間にわたり外出することなく在宅した事例がある。ただし、今月15日は北朝鮮最大の名節である金日成主席の誕生日に執権以来初めて錦繻山(クムスサン)太陽宮殿にも参拝しなかったので、健康に何らかの問題が生じたのではないかとの観測が提起されたのだ。
北朝鮮メディアはそれでも、金委員長の健在を立証する映像や写真は流さずに金委員長の通常の動静ニュースだけを伝えている。26日にはラジオ局の中央放送を通じて「金正恩同志が三池淵市修理工事を誠心誠意支援した働き手と勤労者に感謝のメッセージを送られた」と伝えた。
これと関連して日本の朝日新聞は26日、中国共産党関係者の話を引用し、「中国が北京の人民解放軍総医院(301病院)から医療専門家チーム約50人を23日またはそれ以前に北朝鮮に派遣した」と報道した。301病院は、中国国内の最高医療機関であり、歴代共産党指導者の治療および健康管理を担当していることで知られている。しかし新聞は、この医療チーム派遣が最近健康異常説が取りざたされている金委員長との関連性は明確でなく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応で協力態勢を取った可能性もあると伝えた。
先日、ロイターも中国が医療専門家を含む代表団を北朝鮮に派遣したと伝え、ただし「中国の医療スタッフ北朝鮮派遣が、金委員長の健康との関連性は現時点では分からない」と慎重に但し書きをつけた。
また、米国の北朝鮮分析サイトの「38ノース」は、金委員長の専用列車が少なくとも21日以後に江原道元山の近隣駅に停車していると、25日(現地時間)報道した。38ノースは、商業用衛星写真を分析した結果「この列車が15日には見られなかったが、21日と23日に確認された」として、いつ出発するかを暗示する情況はないと伝えた。38ノースは、これは金委員長が北朝鮮の東部海岸に留まっているという報道の信頼性を高めていると説明した。
韓国政府は依然として、金委員長が元山に留まっていると把握しているという。韓国政府当局者は26日、ハンギョレとの通話で「金委員長が15日の金日成誕生日に参拝しなかったことは異例なことだが、国家の最高権力に問題が生じた時に通常ありえる兆候や特異動向は現在北朝鮮には見られない」として「金委員長の統治権が平常時どおり正常稼動している状況と見る」と話した。
訳J.S
