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「3~5年後、太陽光と風力発電の単価、ガスより安くなる」

登録:2020-04-22 01:56 修正:2020-04-22 08:45
カーボントラッカーと気候ソリューションが共同で分析 
「石炭発電をガス発電で代替時『座礁資産』74兆ウォン」
三陟石炭火力発電所建設反対汎市民連帯など江原道三陟地域の住民が2018年、大統領府近くのソウル鍾路区新橋洞のプルメセンター前で集会を開き、石炭火力発電所建設の白紙撤回を求めている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 再生可能エネルギーの太陽光と風力の発電単価は、3~5年後にはガス発電より安くなる。このような分析が発表された。このため、国内の老朽化した石炭(火力)発電所がすべてガス発電所で代替された場合には、役に立たない「座礁資産」が2060年には74兆ウォン(約6兆4500億円)に達するという見通しもついて回る。石炭と同様に温室効果ガスを排出するガスではなく、再生エネルギーの開発へと投資を集中すべきだという主張に有利な分析結果だ。

 英国の金融シンクタンクのカーボントラッカー・イニシアティブと韓国の社団法人気候ソリューションは21日、韓国政府のガス発電所への投資についての財務リスクについてまとめた報告書『ガス発電、危険な転換』の中で、このような分析を示した。カーボントラッカーは昨年、韓国の石炭発電の座礁資産規模が120兆ウォン(約10兆5000億円)に迫るだろうと分析している。座礁資産(stranded asset)とは、市場環境の変化により資産価値が急激に落ちた資産を意味する。韓国政府はパリ協定に対応するため、老朽化した石炭火力発電をガス発電で代替しようとしている。

 カーボントラッカーは、韓国電力の発電子会社が計画通りに老朽化した石炭火力発電設備13.7ギガワットをガス発電設備で代替した場合、2060年には座礁資産が74兆ウォン(600億ドル)に達すると予想する。座礁資産の規模が大きくなる要因は、ガス発電のコストの増加と発電会社に対する過度な補償だ。報告書は(事故や環境汚染のような外部効果を考慮して推定した)均等化発電コストを基準とすると、新設ガス発電所の発電コストが大型太陽光や風力発電のコストより高くなったことを理由に挙げた。報告書はまた、新たに建設される太陽光発電所、海上風力、陸上風力発電の単価が、従来のガス発電所より、それぞれ2023年、24年、25年には安くなると説明した。

 そして韓国電力が子会社のガス発電所に過度な容量料金(給電指示待機に対する補償)を支給し、主要発電設備の総括原価回収を保障するなど、補償が行き過ぎているのも座礁資産の規模を拡大させた要因だと指摘した。報告書の共同著者マット・グレイさん(カーボントラッカー電力事業部門責任研究員)は「韓国は、化石燃料発電設備に過度な補助金を支給する歪んだ電力市場システムを改善しなければ、その損失は電気の消費者に転嫁されるだろう」と述べた。

キム・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/941382.html韓国語原文入力:2020-04-21 16:26
訳D.K

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