テレグラムなどを用いた性搾取犯罪への処罰強化を求める世論が広がり、大統領と政界がこれに応えるメッセージを相次いで出した。大統領はテレグラムのシークレットチャット「n番ルーム」の会員全員に対する調査を警察に指示し、与党は「n番ルーム事件再発防止3法」を第20代国会の任期中に成立させることにした。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は23日、n番ルームの性搾取犯罪に関して「一人の人間の人生を破壊する残忍な行為」だとし、「警察が強力な特別調査チームを設置してn番ルーム会員全員に対する調査を行う必要がある」と述べた。文大統領はこの日、大統領府の参謀らに「16人の児童青少年を含む被害女性らに、大統領として心からお慰め申し上げる。国民の正当な怒りに共感する」として、このように述べたとカン・ミンソク大統領府報道官が伝えた。文大統領は「政府は映像の削除だけでなく、法律・医療相談など被害者たちに必要なあらゆる支援を行う。大統領府の請願掲示板に瞬時に300万人以上が署名したのは、こうした悪質なデジタル性犯罪を断ち切れという国民、特に女性の叫びとして重く受け止める」と述べた。
政府は関連法の改正に取り組む考えも明らかにした。大統領府の高位関係者は「児童青少年法11条に、性搾取物を所持した者は1年以下の懲役または2千万ウォン(約174万円)以下の罰金刑に処すとあるが、罰則が軽いという指摘がある。関連法の改正も検討する可能性がある」と述べた。
共に民主党はこの日、チン・ソンミ議員の主催により国会で「テレグラムn番ルーム性暴力処罰強化緊急懇談会」を開いた。同懇談会には同党のイ・イニョン院内代表や、法務部、警察庁、科学技術情報通信部、女性家族部などの関係省庁、マスコミ、市民団体が参加した。
イ院内代表はこの席で「n番ルーム事件再発防止3法を国会で速やかに成立させたい。第20代国会もほぼ任期が終わりつつあるが、国会を新たに召集することになっても必ずや処理する」と述べた。これに先立ち、同党のペク・ヘリョン全国女性委員長やナム・インスン、クォン・ミヒョク議員ら同党の10人あまりの女性議員はこの日、国会疎通館で記者会見を開き、「n番ルーム事件再発防止3法」を発議し、第20代国会の任期内に成立させると約束した。n番ルーム3法には、性的撮影物を用いた脅迫を刑法上の特殊脅迫罪として処罰▽違法撮影物・複製物のダウンロード行為自体を処罰し、撮影、流布、営利的利用に対する処罰も強化▽不法撮影物に対して直ちに措置を取らなかった情報通信サービス提供者の処罰、などが盛り込まれる。
チン議員は「性的搾取を断ち切る最も強力な方法は最も強力な処罰。懇談会で提案された内容を吟味し、デジタル性犯罪特別法を準備する」と述べた。ソ・ジヒョン法務部性平等政策特別諮問官は「イルベ、ソラネットなど既に類似した犯罪が数え切れないほど起こっているが、誰が処罰されただろうか。今のように性犯罪を擁護し黙認していれば、我々の子どもたちは本物の地獄で生きることになる」と訴えた。