18日、サムスン電子がサムスン物産と共同名義で過去の系列会社の労組活動を妨害したことなどに謝罪の意を込めた立場文を発表した中、サムスン電子などサムスングループの中心部では、国政壟断事件とサムスンバイオロジックスの会計不正事件の捜査および裁判と関連し、イ・ジェヨン副会長を保護する方法を中心に緻密に準備しているという。何よりも、国政壟断事件の破棄差戻し審裁判所が求めた「遵法経営」案の模索に、すべての力を集中している。このため、イ副会長が労組解体事件はもちろん、最近の相次ぐ事態に対して直接メッセージを出す可能性は低いものとみられる。
現在、サムスン電子が最大の力を入れているのは、イ副会長の破棄差戻し審関連の準備だ。今月初め、破棄差戻し審の三回目の公判で、ソウル高裁刑事1部(裁判長チョン・ジュニョン)が異例の要求を出したためだ。裁判所は当時、「今後も政治権力者から同じことを要求された場合、賄賂を供与するのか。こうした要求があっても、企業が応じないためにはどうすればいいのか、次の裁判期日前まで回答してほしい」と求めた。
これに対し、サムスン電子は中核の経営陣や外部の法律事務所などと共に、「遵法経営」関連案を模索しているという。イ副会長は、破棄差戻し審でも原審が維持された場合、特定犯罪加重処罰法(特加法)の就業制限条項により、サムスン電子と類似系列会社に在職できなくなる。
イ・サンフン取締役会議長など重要役員の法廷拘束をもたらしたサムスン電子サービス労働組合活動の妨害と関連した上級審の準備も続いている。同日、サムスン電子とサムスン物産が発表した立場文に糸口がある。200字原稿1枚にも満たない短い文章だが、「裁判所の判断を謙虚に受け止める」や、「サムスン電子サービス労組に謝罪する」などの文言は書かれなかった。特に「労使問題で多くの方々にご心配をおかけすると共に、ご期待を裏切る結果となり、大変申し訳ない」とし、謝罪の対象も「多くの方々」と曖昧に規定した。上級審に不利に働きかねない表現を避けたのだ。
サムスン関係者はハンギョレとの電話インタビューで、「監査委員会などの検討を経て、立場文の文言をまとめた。(一審判決の)翌日に立場文が発表されたのもそのためだ」と話した。イ副会長が最近の相次ぐ事態について口を開くかどうかも関心を集めている。昨年5月、公正取引法上同一人(グループのトップ)の地位に上って以来、トップとしての動きを見せてきたため、一部ではサムスン電子の中核役員らが逮捕された異例の状況について、直接意見表明に乗り出すこともあり得るという見通しを示している。しかし、その可能性は高くはないものと見られる。自身が直接関わったり、関わった疑いのある裁判や捜査が進められている最中であるうえに、サムスングループはトップが直接謝罪の意を表明しないのが慣例だからだ。2006年の「安企部Xファイル事件」と2008年の「裏金事件」当時の対国民謝罪文は、当時ナンバーツーだったイ・ハクス戦略企画室長(旧未来戦略室長)がイ・ゴンヒ会長に代わって読み上げた。