北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が25日、新型短距離弾道ミサイル発射の理由の一つに挙げた「南朝鮮軍部の好戦勢力たちが必死に(米国から)持ち込もうとする先端攻撃型兵器」は、「F35Aステルス戦闘機」とこの戦闘機の目となる最先端の高高度無人偵察機「グローバルホーク」などを通称したものとみられる。
韓国軍は今年に入ってこれまで8機のF35Aを導入したのに続き、年末までに8機を追加搬入し、2021年まで40機を確保する方針だ。F35Aは、レーダーなど各種探知機器に捉えられないステルス機能を備えた最新戦闘機で、空対地・空対空ミサイルなど各種兵器を内蔵した状態で目標物に密かに接近し打撃できる戦略兵器だ。北朝鮮首脳部の位置を把握すれば、このステルス機が素早く接近し、攻撃できるという話が出るほどだ。韓国軍当局は2019~2023年の国防中期戦力増強計画で、同期間まで94兆1千億ウォン(約8兆6千億円)を投資し、核・ミサイルの脅威を抑止する核心戦力を確保する計画だが、この中核をなしているのがF35Aだ。北朝鮮は11日、南側が「見えない殺人兵器」のF35Aを持ち込んで、「朝鮮半島有事の際、北朝鮮への侵略の“扉”を開こうとしている」と非難した。
軍当局はF35Aの目となり視野を確保できる偵察機グローバルホークを年末までに4機導入する予定だが、これも北朝鮮にとっては脅威となり得る。偵察機は情報収集の役割を担う。北朝鮮としては、最高指導者の位置など各種秘密情報が漏れる可能性を懸念せざるを得ない。F35Aステルス機がグローバルホークによって確保された情報をもとに攻撃すると捉える可能性もある。